2021年10月の生け花・エッセイ

(1作目)




【花材】

(1作目)野ばらの実、バンダ(オレンジ)、木イチゴ、菊、ユーカリ葉(ドライ)、多肉植物
(2作目)野ばらの実、キイチゴ、リンドウ

【制作意図】

1作目:野ばらの実が赤くなりました。季節感いっぱいの作風になるところを、多肉植物をポイントに使って、アート的表現にしてみました。
菊の花もあえて少し見てるようにしています。菊と多肉植物を入れ変えると、いつもの私の作品になったと思います。

2作目:二作目の小さな生け花はシンプルに秋の表現です。盆栽風にしてみました。

【今月のエッセイ】

緊急事態宣言も解除され徐々に人出が戻って来た京都です。ナ禍前は街ですれ違う人々の多くが外国からの観光客でした。まだまだその状況に戻るにはもう少し時間がかかると思いますが、少しづつでもはいい事です。なんと言っても観光都市の京都ですからね。今回のコロナ禍で改めて観光で支えられている、お商売がたくさんあると思いました。

さて、京都芸術大学での授業も滞りなく始まりました。昨年より秋から始まる後期担当となりました。初めて講座を持ってから早くも10年目です。たくさんの学生達が受講してくれ、卒業して行きました。今でも連絡をくれる学生も居て嬉しいです。

10年間の時代の変化のスピードは増すばかりだと思います。モバイルやパソコン機器などインフラは日に日に進化しています。

学生達の生活スタイルも明らかに10年前とは違うと思います。今年の一回生は私が講師になった頃はまだ小学生だったわけです。それからの10年で明らかに時代は変化しました。

授業では講義の後ワークショップをします。花の作品を制作する時間です。生け花やフラワーアレンジメントと言わないのは、私なりの指導方針です。

既成概念から出来る生け花やフラワーアレンジぽい作品より、個性豊かでデザイン的であったり、アート的表現とかを制作して欲しいからです。

でも最近の学生達は私が思っているほど、生け花や華道の既成概念はほとんどありませんね。10年前の学生達からは「家にお母さんが花を生けて飾っています。」などの話しも聞きました。

もちろん今でも家庭に花を飾る事はありますが、生活スタイルの変化によりの飾り方も違って来ているからでしょうか。

昨日の授業の学生達の作品も、とても面白い表現がありました。豊かな発想力で感心するほどです。自分は歳のわりには頭が柔らかい方で、自由な発想の持ち主だと自負していましたが、知らず知らずのうちに既成概念での生け花を考えていたのは私だけだったようです。

そして昨今気付きますのは、作品制作後の後片付けの様子が変わって来たことです。丁寧に残った花材を処理して、ちゃんと掃除も出来ています。

これはとても嬉しいことです。




(2作目)

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