8月の生け花・エッセイ

【花器】 ガラス変形水盤
【花材】 ・アンスリューム ・アワ ・オクラレルカ
【 夏の生け花 】(オアシスを使って)

この季節はどうしても花の持ちが悪いので、花材選びも無理はせず、当季に元気な花を選びました。器は水や光を連想するような透明ガラスの花器を使います。夏場に透明なガラスの水盤は涼しげでいいのですが、このとき剣山を使って生けると、どうしても直立した花形になりがちです。

前回に引き続き今回も、器にオアシスを使って、斜めに花が生けられるよう工夫してみました。

ガラスの器にそのままオアシスを入れたのでは、緑の濃い色が目立ち清涼感がなくなります。そこでオアシスをセットするときに、アルミホイルで下の部分をまいておきます。アルミホイルの銀色なら、透明のガラスの花器でも目立ちにくくなります。

さらにその周りにガラスの石などを入れると、氷のようにも見えてより涼感が増し、夏の花のしつらえになりますね。

赤いアンスリュームの花は暑さにも強く、色も情熱的で夏の盛りを感じさせます。

アワは葉を綺麗に取りすっきりとさせ、先のふわっとした穂の部分を目立たせます。そこへシャープなラインのオクラレルカを影のようにそえると、作品に変化や厚みが出てきます。大きく見せようとせず、まさに風が通る感じに、ひとつの流れをつかみながら生けていくといいと思います。

そうそう、アンスリュームは印象的な花ばかりに気を取られずに、すっと細く伸びる緑の茎のラインも綺麗ですので、流れを壊さないようにそえるとより良いでしょう。
【エッセイ 第二十六話】

八月の京都の行事で私の頭に浮かぶのは、お盆の五山の送り火です。山に囲まれた京都ならではの風景は、静かな行事ですが、時間差で次々に火がともる五山は厳かで美しいものです。

子供の頃にはよく、五山のひとつ「大文字山」に登りました。山頂までは30分ほどの道のりですが、途中に沸き水があったりしたのを覚えています。都会からすぐ山道に入り、木々と自然を満喫できるのも盆地の京都ならではですね。

私はやはり子供の時分より植物が好きだったようで、道すがらの木々の葉や枝ぶりを興味津々と見て楽しんでいました。今思うとおかしいのですが、ある時なぜか気に入った枝(思い出すと藪椿でしょか?!緑の葉っぱがしっかりと付いていましたから)をポキリと折り、持ち帰ったことを思い出しました。力強い枝に、夏の暑い時期だというのに葉もたくさん付いているのが、嬉しかったのだと思います。

そんな寄り道をしながら、大文字の大という字の中心にたどり着くのですが、大の字のど真ん中にいるということが、子供の私にとって字の如く大きな達成感と、小さな山ですが征服感を満たしてくれました。

で、帰り道もまた木々の観察かと思いきや・・・今出川通りの角にあるレトロなアイスキャンデー屋さんまで一目散に駆け下りるのでした。


コメント