11月の生け花・エッセイ

【花器】 ガラス足付コンポート
【花材】 入才ラン(ブラウン)・ダリア・スプレーピンポン菊・カーネーション・レモンリーフ
【生け方の解説】

今回は縦長の花器ですが、横のラインに生けてみました。

①器より少しオアシスを高く(2~3cm)セットしておきます。入才ランの葉を折り曲げホッチキスで留め、リボンのように左右に挿します。このとき真横ではなく少し前方向と斜め後ろ方向にずらすようにして生けたほうが奥行きを感じます。

②花は大輪のダリアから挿していきます。色のバランスを見ながら、前の方から後ろへ順にさしていくと入れやすいです。濃いダリアの横に明るい黄色や白を合わせてみたり、濃い色同士(ダリアとカーネーション)で合わせてみたりと、色合いの組み合わせを楽しんでみるといいですね。最後にレモンリーフの緑を入れて色のバランスを整えます。後ろのほうにほんの少しだけ見える緑の葉ですが、結構重要な役割を果たす色です!
【エッセイ 第五十三話】

歳ごとに時が早く感じると言われますが、早いもので気がつくともう11月になってしまいました。今年は夏の終わりから、秋の京菓子協同組合青年部さんのイベント準備や展示会などで猛スピードで時がたちます。

しかし私の落ち着き無さとは裏腹に秋の京都は例年どおりにしっとりと紅葉し、大人の風情で来る人たちを魅了しているようです。

そんな私ですが、深まりゆく秋にもうひとつイベントがあります。来る11月13日より京都・祇園は新門前通りにあります【ギャルリーオルフェ】さんで花会をさせていただきます。

ルネ・ラリックの器を数多く扱われているお店です。もう10年ほど店内にお花を生けさせていただいております。ルネ・ラリックは1860年フランス生まれの工芸作家で、ジュエリーの制作で一世を風靡した後、50歳を迎えた頃からガラスの工芸作家に転向され数々のガラス作品を創られました。

1925年パリで開かれた通称「アール・デコ博覧会」では、ガラスの空間演出やデザインで国際的な注目を浴びました。今回はオーナーの方のご提案とご好意により、会場全体を私の花の発表の場にさせていただきます。

ラリックの器はさすがにその存在感は大きく、そこに在るだけでも美しい光を放ち見る人々を魅了させます。私としてはその美しい器に立ち向かうのでは無く、花器を愛でて感じて、まさに人生の先輩より教えを受けるように花を生けてみたいと思います。

いつもは花木の姿に学んで花を生けている私ですが、今回は花器に花の生け方を習う気持ちで取り組んでみようと思っています。無理の無い、それでいて存在感ある花と器のコラボレーションを目指したいものです。さて果て?どんな花になるのでしょうか? 皆様乞う御期待下さいませ。


ギャルリーオルフェ http://www.g-orphee.com/lalique


コメント