9月の生け花・エッセイ

【花器】 ガラス花器
【花材】 ススキ・ダリア・ピンポン菊・カーネーション・とうがらし・りんどう
【生け方の解説】

秋の訪れの花を生けようと思ったのですが、まだまだ暑いので茎は使わないで花を短くしてオアシスに丸く挿してみました。花器とのバランスをとりながら大きさを決めました。
今回は床の間横の棚に飾ってみましたが、少し秋の気配にしようとススキを装飾的に(かんざしのように)挿してみました。
【エッセイ 第六十三話】

ようやく9月に入り少しは涼しくなるかしらと期待していたのですが、なんとまだ猛暑が続いてたまらず「もう堪忍してぇ」と言ってしまいます。しかしカレンダーは確実に進み秋の婚礼シーズンに向かって準備に追われております。

お陰様でたくさんのご予約を頂いていまして、新郎新婦お二人とのお打ち合わせにも熱が入ります。さて婚礼式場の装飾花を担当させて頂いて思うことがあります。お二人との打ち合わせで、お花を決め会場内を飾ります。

そんな時、ご結婚されるお二人にもきっといろいろなドラマがあり記念すべき日をお迎えになられるのだと。そしてその日はお二人だけでなくご両家の家族にとっても記念すべき日なのだろうと・・・。そう思うとますます花を飾り付けする手にも力が入ります。

冠婚葬祭はどちらにも花は付き物ですが、お祝い事、かたやお悔やみ事と相反する行事となります。しかし花を生け飾り付けをしていますと、冠婚葬祭は相反する事ではなく、どちらも家族の歴史の中の大きな記念の日として繋がり、家族の思い出の大切な日なんだなと思います。冠婚葬祭どちらも最近は簡略化されたりカジュアルなパーティーなども流行ってきています。

それも時代の流れであり、核家族が増える現状では仕方無いことでしょう。しかし花を飾る私の思いとしては簡略化であれ盛大であれ、また慶弔どちらも厳かな気持ちで花を生け飾りたいと思っております。

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