4月の生け花・エッセイ



【花材】ボタン桜
【制作意図】

咲き誇りました桜花を丸いブーケのようにしました。華やかでありますが、作っていますと春祭りの神事の御飾りのように思えました。桜の花は神秘性があります。

【今月のエッセイ】

四月、日本列島は順に桜が美しく咲きます。京都の桜は先日の春の嵐でだいぶ散ってしまいましたが、枝垂れ柳や楓などが新芽や葉を付けだしております。まさに新年度の始まりを感じさせてくれます。

さて以前よりお手伝いさせて頂いております工芸菓子の展示がいよいよ始まります。四年に一度開催される全国菓子博覧会が、4月19日より今年は広島で催されます。その会場に京菓子組合青年部の作品として展示されます。作品のデザインを担当したのですが、いつもの生け花とは違うかたちでの花の表現はなかなか難しく、青年部の人たちと苦心を重ね制作しました。 チームでの制作ですからそれぞれの思いや個性がぶつかる事もありましたが、概ね順調に作品ができました。 後はいよいよ現地での最終飾り付けを待つばかりです。

若い頃、呉服屋さんの展示会で生け花をしていた時、織物の職人さんが「物作りは人作り。また人作りは物作り」と言われていた事を思い出しました。もちろん花を生けることにも当てはまる言葉です。また今回のように日にちをかけてチームで制作していく過程においても、やはりその言葉は意味のあるものだと感じました。それはメンバーがやはり京菓子の職人さんであり、丁寧で実直な仕事ぶりが作品に反映されているさまを拝見させて頂いたからです。 そしてメンバーの個性がそれぞれ担当したパーツに現れるのも感じました。

生け花では「花は人なり」という言葉もあります。同じく織物の職人さんの言葉も、やはり人の手によって生み出される物の大きな心構えだと思います。

さぁ!!最後の仕上げも皆で頑張らなくては!!!




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