8月の生け花・エッセイ

 

 
【花材】  ダリア・ グリーントリュフ

【制作意図】
8月のお花は何にしようかしらと花市場に行きましたら、ダリアの美しい花に出会いました。

咲き方と花色を見ていますと、ちょうど季節の風物詩花火を連想しました。少しグリーントリフを加えて緑の安心感を添えて生けました。

【今月のエッセイ】 毎日暑い日が続いております。そしてゲリラ豪雨。なんだか数年の間に熱帯気候の日本になってしまった気がします。
私が子供の頃は午前中の涼しいうちに夏休みの宿題をして、お昼からはプールへ出かけて行った思い出があります。そう言えば部屋にクーラーもありませんでした。今の暑さに比べれば随分と過ごしやすく、また季節の移り変わりもはっきりしていたように思います。
京都生まれ京都育ちの私ですが、そんな時代へ郷愁の念に駆られるのは歳をとったからでしょうかね。

さて大学の講義も前期日程を無事終え夏休みになりました。

最終の授業のあと学生たちにアンケートを書いて貰います。
それを今後の講義の参考資料として後期がもっと充実するように考えます。また感想の欄には嬉しい言葉や励まされる感想などもあり、アンケートは私のモチベーションのひとつになっています。

そんな最終の講義に一度も休まずに来ていた学生の一人が欠席しました。随分と頑張ってお花も生けていたので、最後の制作発表に来ないので少し残念に思っていました。その学生から先日嬉しいメールが送られて来ました。

「デザインの勉強にもなりましたが、生命のことや、もっと根本的な勉強をさせてもらった気がします。花という小さい命に目を向けたことで、また今までとは違った視点で物事を見れるきっかけとなった気がします。物を創るということは、人の命を吹き込むということ、そんなことを学ばせて頂きました。また連絡させて頂きます!」

というものでした。私が花を通じて感じた物作りの心構えが微力ではありますが伝わったようで、とても嬉しいメールでした。
まだまだ足りないところも沢山ある私ですが、伝える事の大切さを感じ一層私自身も精進せねばと思った次第です。


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