8月の生け花・エッセイ

【花材】

【制作意図】
白い蓮を満開では無く開花途中の雰囲気で飾ってみました。  作為的にならずに蓮畑を幻想的に切り取ったイメージで仕上げました。
【今月のエッセイ】
暑い日が続いております。
8月は広島・長崎と原爆の日があります。当時の話しを語られる語りべの方も少なくなってきました。 そして未だに世界では紛争が続いており、痛々しいニュースが流れています。
日本が戦争していたのは遠い過去ではありません。私は戦後12年目の生まれですが、子供の頃には確かに戦争の爪痕が残っていたのをはっきり覚えています。
日曜日に両親に連れられ繁華街に出かけますと、街角に白い装束を着た軍人さんが立っておられました。片足が無く松葉杖をついた方や、眼帯をされて陸軍の帽子をかぶっている方など。そして首から白い箱を下げて募金を求められていました。
子供心にはとても恐ろしく映り、親に尋ねましたら傷痍軍人さんだと教えられました。また小学校の帰り道に明らかに挙動不審なおじさんに出会ったこともあります。その方も陸軍の帽子をかぶり私たち子供に向かって大きな声で「敬礼!」と叫んで敬礼のポーズをしておられました。 後でわかったのですが、戦争へ行かれショックのあまりヒロポン(当時の薬物)中毒になり街を徘徊されていたようです。自宅の近所には防空壕の後も残っていました。
69年の年月が経ちましたが、平和への思いを戦後生まれで平和の恩恵を受けてきた私たちこそが一層強く後世に伝えていかなくてはと思う次第です。





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