7月の生け花・エッセイ





【花材】
タニワタリ ダリア アンスリウム スチールグラス  縞フトイ

【制作意図】
今回の主役はスチールグラスです。線の美しさを植物でありながらも建築的な感じに表現しました。 縞フトイも線のリズム感を増す感じで入れています。
生け花も花材の捉え方によって立体造形のデザインになりますね。


【今月のエッセイ】
7月に入りました。まだ梅雨もあけておりませんが、毎日真夏のような暑さが続いています。

京都は祇園祭が始まりました。この祇園祭の時期だけに生ける花があります。日扇という扇状の葉が特徴的な植物です。

私も花生けを担当している料理屋さんやギャラリーにさっそく生けてきました。年に一度だけ出会う日扇を生けますと、いよいよ祇園祭だなという実感が湧いてきます。

 さまざまな季節の行事に花は付き物です。ずっと花を生ける仕事をしておりますと当たり前になってしまいがちですが、お祭りの準備として料理屋さんの玄関に日扇を生け、床の間に掛けられた祇園祭用の掛け軸を見ていますと、改めて日本文化には花が深く根付いているなと思いました。


 さて、先日これも京都の文化のひとつであります花街の踊りの会を見て来ました。年に一度京都にあります五つの花街が合同で催されます。

各花街とも各々春と秋に会は催されるのですが、この合同の会では五花街より選抜されました芸姑さん舞妓さん達の踊りを同時に拝見できます。

それはもう華やかで美しく、また可愛らしいという感想は見た方全部の方がお持ちになると思います。
京都の「はんなりとしてる」と言う表現がぴったり来る舞台です。

実は私は結構な花街ファンで、もう幾度となく踊りの会を見ています。だからと言って決して京舞見物の達人ではありません。 

 ただ始めて見た時には華やかな美しさには圧倒されましたが、今は少し慣れてゆっくり隅々も見えるようになりました。踊られるのが立方さんで、唄や三味線を担当されるのが地方さん。

どちらも美しく優しい顔立ちの舞妓さんに芸姑さんですが、やはり芸の修練の積み重ねからでしょうか、優しい表情の中に本当に真剣な眼差しを感じた私でした。


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