2020年8月の生け花・エッセイ


(1作目)


【花材】
(1作目)
トルコキキョウ(白、グリーン)、キュウイヅルのドライ(ブルー)、ビブルナムティヌス(グレーの実)、ブプレリウム、ベンケイソウ、ブルーベリー(グリーンの実)、ゴールドスティック
(2作目)
ピンクッション(オレンジ)、リューカデンドロ(グリーン)、モンステラ、ニューサイラン、ストレリチア

【制作意図】
キューイの蔓の乾燥素材をブルーに色付けしました。自然な蔓の曲がりを中心に花を構成してあります。夏らしい色でまとめてみました。
二作目はシンプルなガラス花瓶に花をまとめて生けました。グリーンの葉物を敷くだけで夏のインテリアフラワーになります。

【今月のエッセイ】

コロナ渦のなか夏が始まりました。梅雨明けが遅かったぶん、急に猛暑になった京都です。相変わらず京都の街は静かです。観光のお客様もまだまだ少ないようですね。ただ人が少ないので観光名所を美しく撮影するにはぴったりだという皮肉な現象もあるようです。


さて夏、特に8月になると毎年思う事があります。原子爆弾が広島と長崎に落とされ、終戦の日を迎える8月です。子供の頃、まだ小学生の低学年だった私は夏休みを叔父の家で過ごしていました。1967年頃で私は10歳です。当時いとこのお兄さんは大学生くらいだったと思います。お兄さんの本棚に、その当時有名だった写真雑誌の毎日グラフを見つけました。題名は「日本の戦歴」でした。満州事変から太平洋戦争までの記録写真集になっていました。

戦艦大和やゼロ戦などのプラモデルに憧れていた私は、興味津々で写真集を見始めました。戦時中に撮影された写真ばかりで、生々しい戦争の様子にショックを受けました。夜布団に入り、その恐ろしい戦争写真を思い出し大泣きした事をよく覚えています。母の一番上の兄はフィリピンのルソン島で戦死したと聞いていましたし、戦争の悲惨さは親からも聞かされていました。しかしその残酷な写真の数々に、よほどのショックを受けたのだと思います。


今年はコロナ渦で、原爆の慰霊式、戦没者慰霊式も縮小されて行われるようです。終戦から75年になります。戦時を経験した人も少なくなり、語り継がれる戦時中の話しも減っていくのでしょうか。いやいや決して忘れてはならない戦争だったと思います。

コロナ渦で日常が変化したこの頃ですが、戦時中の非日常の恐ろしさを伝えていかなくてはなりません。戦時を経験していない私達が戦争を知らない世代へ伝え、そしてその教えを次の世代へと。大切なことだと思います。




(2作目)

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