2021年7月の生け花・エッセイ


(1作目)




【花材】

(1作目)ダリア・トルコキキョウ・デルフィニウム・ユーカリ・アンスリウム・グリーントリフ・ニューサイラン・ドウダンツツジ・リューガデンドロ・鳴子百合・アスチルベ
(2作目)アスチルベ・デルフィニウム・リューガデンドロ・鳴子百合・木イチゴの葉

【制作意図】

暑い時期だからこそ力強い作品にしたく、種類多くしパワーを込めて生けてみました。色あいを涼やかにまとめ、霧吹きで水を与えますと、より夏らしい作品になりました。

2作目は小さな花瓶に、小さな立花のように生けました。これくらいの大きさが、飾りやすい作品ですね。

【今月のエッセイ】

7月になりました。京都の夏の始まりを告げる祇園祭りの山鉾巡航は、今年も中止になりました。でも鉾町のお囃子は練習が始まっているところもあります。鉾は巡航しませんが、やはり伝統を守るためにも練習をなさっているようです。もともと疫病退散の願いを込め始まった祇園祭りです。今年の祇園祭には間に合いませんでしたが、世間ではワクチンの接種も広がって来ています。本当に早く安心して過ごせるようになりたいものです。一応京都も非常事態宣言が解除されました。街に出ますと、土日などは観光の方などもちらほら、結構な人出の様子です。

わたくしも、ご縁がありコロナ前から2年ほど続いております就労継続支援B型の方が利用される施設での、フラワーアレンジのワークショップを再開しました。もちろんまだ人数制限やマスク着用など、あらゆることに気をつけての再開です。久しぶりに受講者さんと一緒に花を生けるイベントです。

もうベテランと言われる年月、花の仕事をしている私です。ワークショップも含めだいたいの仕事の段取りは想像もつきますし、仕事の仕方も慣れたものになっています。でも今回のコロナ渦の時期と言うこともあり、緊張感を持ち当日になりました。会場に到着しますと受講者さん達が思いの他リラックスして、そして私を歓迎してくれました。皆様の笑顔に少し緊張感もほぐれ、講習に入ります。花材を説明してワークショップの始まりです。私には慣れたフラワーアレンジですが、皆様の興味深い眼差しに嬉しくなりました。

私はアレンジの技術や、上手な生け方も講習しますが、まずは花に触れよく観察し、形や匂いや質感を五感で感じ、上手さよりも受講者の皆様が感じたままを、表現力を思う存分発揮して楽しんで制作してもらいたいと、いつも思っています。それが生の花を生けるワークショップの一番の醍醐味かもしれません。花を生ける時の皆様の表情は、マスク越しでも十二分に楽しまれているのが伝わってきました!出来上がりました作品も、楽しい表現と花を愛でる気持ちに溢れています。

このエッセイには幾度となくこのフレーズが出てきたかも知れませんが、花・植物の持つ癒しのパワーを益々感じる一日となりました。

私は、日ごろは花を、装飾花として飾る仕事が多いです。そうしますと若干離れた目線で、ビジュアルとしての花・植物として見てしまいます。今回のワークショップの私の緊張と、参加者さまの生き生きとした表情は、改めて自分の仕事を見つめることができました。






(2作目)

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