2021年12月の生け花・エッセイ





【花材】

ミラビフローラ(白)、コチア(グレー)、リューカデンドロ、オーニソガラム、 アウトランチア、グリーンベル、クリスマスローズ、ベル鉄線、バラ、 ヘデラベリー、バーゼリア(シルバー)、ユーカリ、ユーカリ(トランペット)、 小菊、サツマ杉、黄金ヒバ、ポリシャス、ブバルディア、利休草、シキミア(赤)、 松ぼっくり、ブプレリウム、ゴールドスティック

【制作意図】

12月といえばクリスマスというのがもう日本文化になりつつあるような定着ぶりですね。街中のクリスマスの飾りを見ると、幸せやウキウキとしたイメージを持つと思います。
コロナ禍で皆さん思うようにいかないこともあったであろう一年でした。
なので私自身は、思いっきり好きな植物を詰め込んで作品を作ってみました。多様性が求められる昨今、植物たちはこんなに個性を持ちながらも自然と共存しているんだなと改めて感じる作品になったかなと思います。

【今月のエッセイ】

あっという間に12月。今日は花市場で迎春用の松の販売「松市」も開かれました。続いて「千両市」「梅市」と開かれ、いよいよ師走感が増してきます。花業界の忙しい時期ですね。私の花のキャリアも40年を越えてしまいました。いつまでも学ぶ気持ちは持ちつつも、どうやらベテランの域に入ってきたようです。

そんなある日、甥から仕事についての相談を受けました。甥は大学卒業後、商社マンとして営業の仕事をしています。大学生の時にはアルバイトで私の手伝いもしてくれました。現在営業の仕事も頑張っており、聞きますと良い成績の売り上げをしているようです。そんな彼からの相談は、花の仕事についてでした。アルバイトに来た時にも花に興味は持っていたのですが、その時は仕事としては考えてなかったようです。流通の営業マンから花業界への転身の相談に来たわけです。彼の花業界についての思いを聞き、一応ベテランの域にいます私の意見を率直に話しました。結論としては、やはり大手の花店への入社を勧めました。私も修行しました花店の社長に相談するように計らった次第です。

私が花の仕事についた経緯を話しますと、母の叔父、私からですと大叔父さんが花店をされていました。ちょうど大学生の私にその店を継がないか?との話しが来ました。その当時私の実家の周りでは叔父(母の兄)が趣味で花畑をして、また温室も建てて、これも趣味で洋蘭栽培もしていました。そんな環境ですので、別段全然知らない世界では無かったわけです。私はその大叔父さんの勧めで、大きな花店で修行する事になったのです。その後は大叔父さんの花店を継ぐはずが、華道を学び自分自身の花の道を進むようになった私です。

そんな話しも甥にしていますと、花業界で仕事をする楽しさや、仕事としての社会的意義などを代々受け継ぐ事ができたのかしら、と少し感慨深い私でした。

きっと母も空の上で、にっこりしてくれていると思います。






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