2023年12月の生け花・エッセイ





【花材】

さつま杉・松ぼっくり・コニファー・ユーカリポポラス・泰山木の葉・シキミア


【制作意図】

クリスマスのキャンドルアレンジを作りました。白樺の木の皮を使ったキャンドルに合わせ、森の木々を集めてデザインよりもナチュラルに盛合わせた感じに仕上げました。


【今月のエッセイ】

京都南座で歌舞伎の顔見世興行も始まり、いよいよ京の町は師走の風景です。街の飾り付けはすっかりクリスマス装飾へ、そして煌めくイルミネーション。コロナ以前のように多くの人出で賑やかな12月です。クリスマスの風習もすっかり馴染む昨今ですが、元々はイエスキリストの誕生日で宗教の祭事です。私の家もクリスチャンではありませんが、両親が季節感を大切にする方でしたので、幼い頃から家にクリスマスツリーも飾っていました。

そしてたまたま入団しましたボーイスカウトも教会が主催する団で、子供の頃にもクリスマスは身近にありました。ボーイスカウトのクリスマスパーティーで行われるプレゼント交換などのお楽しみ会にワクワクしたものです。仕事をするようになり、ゆっくりクリスマスを楽しむ時間も無くなり、クリスマス装飾やイベントに勤しむ私です。クリスマスの風習は宗教行事とは別に、資本主義経済にとって大きな貢献をしているのでしょう。私の業界もまさにその通りです。クリスマスの季節が来るたびに忙しい日々を送る私ですが、いつも一つのお話しを思い出します。1897年の秋に、8歳になる少女バージニア・オハンロンさんが地元のサン新聞社に送った手紙です。

「サンタクロースって本当にいるのですか?」

その投書に応え、論説委員のフランシス・チャーシ氏が社説の中で答えました。

「イエス。バージニア。サンタはいます。それはこの世に愛や優しさ、そして思いやりがあるのと同じくらい確かなものなのです。」

この心暖まる有名な社説は当時大きな話題になりました。その後、バージニアさんは教師の道に進み、晩年は恵まれ無い子供達の学校の校長先生になられたそうです。宗教感からではなくて、人の心の美しさを信じる事に私も共感し感動しました。

クリスマスの季節になるたびに思い出し、愛や優しさ、そして思いやりのある心を大切にしたいと思う私です。どうか世界が平和になりますように。

メリークリスマス。





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