2024年4月の生け花・エッセイ

(1作目)





【花材】

(1作目)八重桜、オンシジューム(シェリーベイビー)、スマイラックス、金葉手毬
(2作目)八重桜、ナズナ、苔木


【制作意図】

可愛らしいピンクの八重桜を、大地の色を思わす器に茶色のランと活け落ち着いた雰囲気に仕上げました。
2作目は苔木を合わせ、少し詫びた表現にしてみました。どちらも新芽のような淡いグリーンがより桜の美しさを引き出してくれました。


【今月のエッセイ】

京都も桜が美しい季節になりました。少し遅れて咲いた桜は長く楽しめそうですね。季節の先取りで花市場には3月始め頃には桜が並びますが、やはり露地で咲く桜を心待ちにするのは、桜を見て新年度をスタートさせる自分がいるからでしょうか。

毎年秋に開催されていましたF1日本グランプリが、今年は初めて春の開催となりました。モータースポーツ大好きな私は、年明けからその日をワクワクして待っていました。鈴鹿サーキットもちょうど満開で、桜の中をF1マシーンが疾走する画像もたくさんSNSなどにあがっています。日本人のレーサー角田裕毅(つのだゆうき)選手の大活躍もあり、鈴鹿サーキットは大いに盛り上がり、私もその様子をネットで観戦していました。

モータースポーツ大好きな私ですが、実はF1日本グランプリを観に鈴鹿へ出かけたのは、もうずいぶん昔に一度だけです。花の仕事のカテゴリーの一つ、婚礼装花を始めてからは、週末も忙しい為お休みが取れずにいました。契約しています式場の立ち上げから担当させていただき、今年で15年になります。今まで装花をさせて頂きましたカップルは約1500組ほどになるのでしょうか。個人事務所の私自身が全ての新郎新婦と打ち合わせをし花を作り、当日飾り付けまでしてきましたので思いの深い仕事でした。深い仕事でした、と過去形になりますのは、いよいよ今年の6月で引退を決めたからです。

お陰様でまだ身体も気力も元気な私です。体力的な問題では無く、また婚礼装花は全てやり切った感でも無いのですが、少し自分の時間を持っていきたいなと思ったからです。先ほどのF1観戦もそうですし、小旅行なんかも行ってみたいなぁ~と。リクリエーション優先みたいですが、花の仕事もまた違った可能性などを模索・研究してみたいなどと思っております。

油絵を趣味にする父が今年で91歳になります。また次の個展をすると言って、昨年秋から熱心にキャンバスに向かっている姿にも影響をうけました。

ので、仕事や遊びの枠も越えて自分の花の時間も持ちたいと思っています。

でも、まずはレース観戦かな(笑)




(2作目)

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