5月の生け花・エッセイ

【花器】 変形ガラス水盤
【花材】 ギガンジューム・擬宝珠(ぎぼうし)の葉・カラー
【生け方の解説】

今回はギガンジュームが主役です。すべての花を見せることを考えるより、リズム感よく配置しましょう。また茎も太く存在感がありますので、気をつけて下さい。
花と茎、両方のバランスがうまくいくと花がいい位置に生けることができます。

ぎぼうしの葉は葉脈が美しいので平面で使いますが、前後にもあしらい、奥行感を出します。最後にカラーです。
カラーは白色に注目して、緑の中にハイライトを入れるように生けてみます。
【エッセイ 第三十五話】

さて5月、爽やかな季節となり目に青葉が美しく写ります。

最近の私は時間あると趣味のミニチュアカー収集にはまっております。ただ無暗に集めるわけではなく、やはりデザインの面白いものに目が行きます。年代・国籍も問わずにオークションの画面や、ミニカーブログなどをネットサーフィンをしながら情報収集して、これぞと思うミニカーを探すのは、いい気分転換になります。

もともとカーデザイン自体にも興味があったので、ひとつの拘りや傾向は、私独自のものはあるようです。

それは必要とされるデザインの美しさ。機能をより良くするために生まれたデザイン。工業デザインにとって必要不可欠な考え方です。シンプルな形であっても人に納得させるものが、そこにはあると思います。

ところがですよ、最近の発見なのですが、ちょっとやり過ぎてデコラティヴになったデザンから、余計なものを削ぎ落とした感じのものに面白さを見つけた気がします。気がすると言うのは、これがなかなか見つけにくいのです。

もともとシンプル一番という目線であっただけに、デザインしましたよ!と言うのは避けていたからだと思います。ましてやデザイナーがデザインしすぎて、それから無駄を引いたものを探すなんて、まあ私のひとりよがりみたいですね。

以前のエッセイで生け花のシンプルな表現について書きました。1+1=2を生ける為に100-98=2を見つけるという話しです。花を生ける時に一度は無茶なやり過ぎのデザインをして、後から引き算をすることも面白い表現になる。と言いました。

ただ花を生けることでは、そこに自然の姿が介入するので、デザインセンスを及ばすこともなく、形ができてくるものです。 果たして工業デザインをするデザイナーの方たちは、どこにその落ち着きどころを見出だすのでしょうか?

ミニカー集めをしながら、デザインの奥深さに感心し、また新たな感性を刺激されました。


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