5月の生け花・エッセイ

【花器】 長方形白ガラス花器
【花材】 紫陽花・薔薇・アンスリウム・利休草・ミスカンサス
【生け方の解説】

①今回はウェディングブーケを作る時に使うマイクのような形をしたオアシスベースに生けています。私はお客様がいらした時などには、このベースごと花器より取りはずしてプレゼントしたりします。ですから今回は小さなブーケのイメージで生けていきます。

②まずオアシスを花器にセットしたら、下(花器の口元)にミスカンサス・利休草を入れておきます。

③次に全体が丸くなるように大きな花より(紫陽花→薔薇)生けていき、最後にアンスリウムで少し変化をつけると面白い作品になります。花を挿し混ぜてもいいですが、私はグループごとに固めてみました。
【エッセイ 第四十七話】

5月 すがすがしい時季となりました。新緑も美しいこの頃は、植物たちが輝いて見えます。自然の生命力の強さを一番感じるのは、新芽を付けた枝があっと言う間に青葉に繁る時でしょうか。

さて皆様はゴールデンウィークをどのようにお過ごしになられましたでしょうか?私の業界では、5月の母の日に向かっての準備がちょうどこのころになります。ですから私もお休みを取らず仕事の日々なのですが、世間がお休みのせいか少し時間がゆっくり流れているように感じ、仕事を早めに切り上げ、気になっていた映画のDVDをいくつか観てみました。

今年は邦画の「おくりびと」がアカデミー賞を受賞したことでも話題になりましたね。そこで過去のアカデミー賞作品を観てみました。特に今公開されていますクリント・イーストウッド監督の「グラントリノ」も観に行きたいと思っていますので、氏の過去のアカデミー賞受賞作品を観てみました。

作品は評価のとおりどれも素晴らしい映画でした。もともと私も大学で映像学科にいましたから映像大好き人間なので、脚本から俳優さんの演技はもちろん、画面のアングルやロケーションに至る隅々まで緻密に観てしまいます。

そんな観かたですと実のところ映画の内容によっては途中で集中力が失せてしまい、後半は疲れてしまいがちです。しかし氏の作品は疲れるどころかすっかり魅入ってしまいました。

私の映画を分析するような観かたを超越する面白い作品ばかりでした。映画とは総合芸術だと言われますが、まさに総合的に私は感動したのだと思います。またそれは何事に於いても大切なことなのでしょうね。すべての過程が完成されていれば、最終の結果が自ずと良くなるのですね。

私たちの生活においても忘れてはならないことです。お花を生ける事も、また然りです。一花一葉を、ひとつの所作を大切に・・・ですね。


コメント