7月の生け花・エッセイ


【花器】 -
【花材】 スモークツリー ・百合(イエローウィン)
【製作意図】
夏休みの空と言えば入道雲。
そんな子供の頃を思い浮かべて生けました。
【エッセイ 第八十五話】

文月。年の半分が過ぎました。年々時の流れを早く感じます。聞くところによりますと地球の自転速度は赤道付近でおよそ時速1600kmだとか!そんな数字を聞くと尚一層早さを感じてしまいます。また近年は情報を得るのも早い時代です。仕事も便利になった分、何でもスピーディーにしなくてはならず、これまた時の流れの早さを感じるのに拍車をかけているようです。

さて京都の7月は祇園祭で賑わいます。鉾町の近所に事務所を構えていますので毎年お祭りは楽しみです。山鉾の絢爛豪華な姿や、鉾町の町家に飾られる 屏風などを楽しむのが私の祇園祭でした。ところが近年は神事として祇園祭を捉えるようになり、7月に入ってから執り行われる行事すべてに興味津々です。御稚児さんの行事はもとより山鉾を組み立てられる作業にも祭りのもつ意味合いを感じます。

日本の祭りは五穀豊穣を祈り、また豊作を神様に御礼するなどの意味を持ちます。祇園祭は蒸し暑いこの時季、京の都の流行り病を厄除けしたのが起源だと言われております。華やかな山鉾巡行だけでなく、行事ひとつひとつに願いが込められていた当時に思いを馳せますと、現在の祇園祭の決して観光イベントではなく大切な京都の神事だと思うようになりました。


今年は山鉾巡行の後にあります御神輿の祭事を楽しみにしている私です。



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