7月の生け花・エッセイ





【花材】
1作目-ひまわり スモークツリー
2作目-ひまわり スモークツリー デルフィニウム 千日紅(白)

【制作意図】
1作目 
夏の訪れです。ひまわりは老若男女誰でも夏を感じますよね。ダイレクトにひまわりを生けて、スモークツリーは入道雲のようにモクモクと装飾してみました。
2作目 
こちらは花材を増やして、花瓶に華やかに生けてあります 暑い日に負けない力強さを表現してみました。植物の姿や、ゆるやかな茎の流れなどが美しく表現できたと思います。

【今月のエッセイ】
7月に入りますと京都は祇園祭が始まります。

一ヶ月間かけてのお祭りで、毎日のように何かしら儀式や催しがあります。私もさっそく祇園祭のお花を生けて来ました。

日扇という花で葉の姿が扇状で、昔からお祭りの花となっているようです。間もなくすると鉾町に山や鉾が立ちだし、私も少し浮き足立ちワクワクしてしまいます。

さて、大学の方も7月で前期の講義が終わります。来週には学生達の自由な制作発表もあります。講師になりまして早7年となりますが、毎回この制作発表は楽しみな日です。

学生それぞれ自分でテーマ・デザインを決めて自由に花を生けてもらうので、既成概念にとらわれない若い感性をそこに見ることが出来るからです。

私の講義スタイルも自由度を重視して、花の表現だけに留まらず空間全体としてのデザイン性や、表現としての芸術性の面白さにも言及しています。ですからよくある生け花やフラワーアレンジの展覧会のようにならないところが面白い制作発表となるわけです。

そんな中、学生のひとりが「いつもテーマやコンセンプトが決まらないのに作品だけを先行して作ってしまいます」と相談をもちかけて来ました。実は私も作品を作る時によくあることです。

そこで「それも物作りのひとつのやり方で、無心のまま作品に取り組むやり方もオッケーです」と伝えました。そして「出来上がった作品を見て、テーマやコンセンプトを考える。これも勉強になるよ。

それは作品から自分自身を分析することだし、思ってもみなかった発想を自分がしている事に気がつくよ。だから心配しないで作品に打ち込みましょう」と言いますと納得して帰って行きました。

これは自分の経験ですね。先に出来上がった作品を見て自分自身を分析することも必要だと思ったからです。 帰り際に呼び止めて「どうしても分析できない時は、こじつけでもいいし、なんとなくそれらしいワードを並べるだけでもいいよ」と付け加えると笑っていました。

でも、案外こじつけている時って思考能力フル回転ですからね。きっとあの学生もそれを感じてくれると思います。

来週の制作発表がますます楽しみになりました。



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