8月の生け花・エッセイ



【花材】
黒ホオズキ ベルテッセン 夏はぜ

【制作意図】
一作目は水盤形の花器の縁に添わすように生けました。黒ホオズキの薄紫の楚々とした花と黒と緑の実があまりに可愛らしく、自然な姿に無理をさせない構成にしています。ベルテッセンを背景に夏の午後の縁側のイメージです。スイカの横に生けてあると思ってください。 

二作目はシンプルに小さなガラスコップに一花一葉を生けてみました。コップを並べ替えたりしてみると花たちの表情も変わり面白いです。


【今月のエッセイ】

梅雨明けから毎日暑い日が続きます。
夏本番の京都は蒸し暑いなか、8月に入ると旧暦の七夕イベントが催されています。

私も夕方から散歩がてら鴨川の会場を覗いてみようと思います。京都は観光都市でもありますので季節柄のイベントは各所で見受けられます。そして大学の数も多いせいでしょうか、文化や学術のイベントもどこかしらで催されています。

 私も大学の関係で9月に行われる面白いイベントのお誘いを受けました。「ペチャクチャナイト京都」というプレゼンテーションの催しです。

「ペチャクチャナイト」とは東京を拠点にされている建築デザイナー クライン氏とダイサム氏が始められた企画で、国籍性別職業を超えたクリエイター達のおしゃべりの場のようです。

今回はプレゼンターを仰せつかりました。テーマは「伝統から引き起こされるもの」。海外からのお客様も多い京都は日本の伝統そのものであり、多くの伝統文化の源であると思われています。

しかしながら伝統は時とともに変化していきます。新しいものの中に伝統を見出だす、ということを私なりに発表する事になりました。

華道という伝統文化を学んだ後、私なりに花を生ける活動を続けてきました。若い時、尊敬する先生に新しいデザインとは「古典を現代にクリエイトする」という話しを聞いた事があります。

しかしながら今になっても意味分からずにいる私です。さてどんなプレゼンをすればいいかしらと悩む日々です。

しかし今までの作品の見直しや、その時の自分の心情を思い出すのは案外面白いことです。

アルバイトで花店に飛び込んで間もなく40年になりますが、自分の小さな伝統を見つけられそうな気がします。



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