10月の生け花・エッセイ




【花材】
ピンポン菊・シキミア・ネリネ・黒とうがらし・アイビー・白りんどう

【制作意図】
【1作目】秋の花の代表とも言える菊をメインにブーケのように束ねてみました。
中秋の名月を思い浮かべながら作りました。 黒とうがらしをベースにすると黄色が映えます。

【2作目】菊・ホトトギス・きいちご・タチアオイの実を黒い水盤に生けました。
 菊を主役として秋の穏やかな日を表現しています。


【今月のエッセイ】

秋らしい空の日が続いています。うろこ雲が美しく流れて心地好い風に秋を満喫しています。

四季がある日本は季節ごとの楽しみがありますが、とりわけ気候の穏やかな秋は催し物も多いですね。芸術的な展覧会はもちろん、最近はフリーマーケットが公園やお寺の境内で賑やかに開かれています。

事務所の近くの神社では、こちらは季節問わず毎週ですが、小規模ですが産直の野菜や果物が売られております。 はい、毎週そこで旬の果物を物色する私です。

さて芸術の秋ですからアートの展覧会に出掛けなくてはと、先日はミニチュア写真家の田中達也さんの「ミニチュアライフ展」に行って来ました。

NHKの朝ドラ「ひよっこ」のタイトルバックで有名な方です。 会場には写真はもちろん、そのジオラマもたくさん展示してありました。私もミニチュア物は子供の頃から興味がありましたし、ジオラマ模型を制作したこともあります。

でも田中さんのジオラマは野菜や果物、そして日用品を建築物や自然の風景に設えるところが凄いです。アイデアの発想や物の形の捉え方に驚くばかりです。

私も子供の頃に玩具の代わりに掃除機を宇宙船に見立て、またアイロンを豪華客船に見立てて遊んだ事を思い出しました。そう思いますと想像力とは無限にあるように思います。

今回の展示を見ていても、作者の田中さん目線から出来あがるミニチュア風景と、自分なりに想像を加えて違う風景を見つける事ができました。

 もちろん土台となる風景を考えられた田中さんが素晴らしいのですが、見る人それぞれが田中さんの世界観の中で遊べる展示会だったと思います。

写真撮影ができるジオラマの回りでカメラを覗く人みんながとても楽しそうでした。 子供の頃の想像力を少し取り戻したひとときでした。



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