11月の生け花・エッセイ





【花材】
1作目 トルコキキョウ、きいちご紅葉、シキミア、ヒペリカム、スチールグラス

【制作意図】
(作品①) ブーケスタイルで生けてあります。
トルコキキョウがメインになっていますが、木イチゴの紅葉が今回の見せ場です。
あえて濃い紫色と合わせる事によりアートな表現にしてみました

(作品②)
水盤に木イチゴがメインで秋の表現をしました。
トルコキキョウも色をうすくし、またリンドウも白を使い紅葉を際立たせました。

【今月のエッセイ】

11月に入り事務所の近くのけやき並木も紅葉が始まりました。毎日通る道ですが、日々紅葉が進むのは絵画のように美しいです。

季節の移ろいのなかでも秋はやはりロマンチックな風情があります。また秋の催し物もたくさんあり、今日もこれから舞妓さん芸姑さんの踊りの会「祇園をどり」に出掛ける予定です。

さて、先日の三連休の日に私の甥っ子が結婚式を挙げました。妹の長男です。 実は甥っ子が生まれて間もなく父親は他界致しました。

そんなこともあり妹は実家に戻り暮らしていました。私も実家のそばに住んでいますので、私の子供達とも兄弟姉妹のように育ちました。私はあえて父親代わりの立場にはならず、従姉のパパさんで接して来ました。

いつも少し距離を保ちながらも面白い叔父さんをしていたと思います。ですから甥っ子も気負いも無く、仲良しの先輩のような関係だったと思います。

大学時代は私の仕事も手伝ってくれました。 たまたま新婦が私の担当しております結婚式場を気に入ってくれて、装花の打ち合わせから準備まで携わることができました。

さすがに思い入れも深くなり、披露宴当日までは装花の事で頭がいっぱいでした。 そして披露宴の当日、叔父の席につき新郎新婦の姿を見てようやく感慨深さを味わった次第です。

子供達が成長する慶びで胸がいっぱいになりました。また妹がひとりで立派に育てた事にも感動しました。

お開き前の新郎の挨拶を聞いて、その立派さに涙ぐみましたが、亡くなった父親に似てきた新郎にたくましさを感じた私です。

 結婚式は新郎新婦のおめでたい門出であると同時に、家族にとっても大きな記念の日になるのだなと深く感じた一日でした。



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