4月の生け花・エッセイ



【花材】雪やなぎ、バラ、トルコキキョウ
【制作意図】

鴨川を散歩していますと桜も美しいですが、その足下に咲き誇る雪やなぎに魅了されます。そんなイメージで雪やなぎを主役として生けました。ピンクのトルコキキョウを遠景の桜に見立て、バラはお花見の華やかな風景を現してみました。

【今月のエッセイ】

京都はソメイヨシノ桜が満開です。今日は朝から結婚式場へ装花に行って来ました。近くに南禅寺や岡崎公園など観光地がありますので、周辺は早い時間からお花見の人で賑わっております。京都へ観光のお客様は年々増えており、年間約5千万人が訪れます。特に海外からは増え続けているそうです。

最近のニュースに「京都の観光公害」という見出しがありました。なんかおっかない見出しです。京都は街全体が観光地であり、その中に普通の住宅街もあります。ですからそこに住まう人には交通渋滞(車やバスの渋滞だけでなく、道を埋め尽くすほどの人の渋滞もあります)やマナーの問題(ゴミ捨てや、何処でも写真撮影)などがクローズアップされていました。

観光のお客様のお陰で潤う商店もあり経済的には有難い事だと思いますが、住人にとっては静かな暮らしが出来ない事が公害だと言う事です。行政も道路や歩道の整備などを進めているようですが、いかんせん観光客の増加の方が先んじてるようです。


さて、先日嬉しい事がありました。


事務所の近くに大きな昔ながらの旅館があります。春の観光シーズンに入るまでは修学旅行生の宿として繁盛しています。私が朝早くからの仕事でガレージに行きますと、その前をたくさんの修学旅行中の中学生達。おそらく大通りに停まっているバスに乗る為、旅館よりの大移動中です。ありゃ、通り過ぎるまで車が出せないなぁと思いながら車まで行きました。

するとひとりの中学生が元気よく「おはようございます」と、つられてか他の子供達も「おはようございます」。今までも何回か修学旅行生とでくわせた事があったのですが、こんなに気持ち良く挨拶が出来る子達に会ったのは初めてです。私も「おはよう」と声をかけて車に乗り込みました。朝から清々しく気持ち良い日が始まった感じがしました。


先日、大学の講師会の集まりで「授業でコミュニケーション能力の向上を図ること。そしてその第一歩はやはり挨拶」と言う課題を聞いてきたばかりです。挨拶は普通にすることでしょ。と、簡単に考えていた私ですが今回の中学生のタイミング良い挨拶に、改めて挨拶の良さを実感しました。



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