6月の生け花・エッセイ

(一作目)


【花材】
山芍薬・かきつばた・ベルてっせん
【制作意図】

花器に銅器を使い古典的に生けてみました。なるべく手を加えず自然な風情を大切に考えながら生けました。
二作目の作品はペチャクチャナイトの為に生けた花です。オクラレルカの葉とスネークアリウム。モーターレーシングカーをイメージしてあります。
題名は「Speed and Competition 」です。

【今月のエッセイ】

6月になりました。5月末より京都は暑い日が続き、早くも夏の感じがします。
新緑が美しく、そして紫陽花の花がきれいに咲くこの時季は街中でも清々しいです。でも梅雨に入るとじめじめ蒸し暑くなるのでしょうね。

さて先月にお話ししました「ペチャクチャナイト京都」も無事終了しました。私の好きなモータースポーツと花を語るのは楽しい時間でした。ただあまりにも自分の好きな世界ですのでマニアックな話になりがちです。聴衆に熱い思いは伝わるのかしら、独りよがりなスピーチにならないかしら、と心配になりました。前日までスピーチを考えていて、最後の落としどころはどうしましょうと考えてみました。

なぜ好きなモータースポーツと花をくっつけて作品を制作したのかを時系列に手繰っていくと面白いことに気がつきました。それは想像力の豊かさです。元々子供の頃より空想や想像は大好きで、それが高じて大学は映画学科を選んだくらいです。好きなモータースポーツのスピード感や高揚感を想像していると、植物の造形的な美しさに結びついた訳です。そっかぁ、想像力が新しい創造力を産み出す訳なんだと確信しました。

そして何もアートやデザインの世界だけでなく、想像力は大切だと思いました。想像力が豊かであれば、他の人の立場で物事を考えたりできます。そうするともっと人に優しく、思いやりを持つこともできます。また、想像力によって危険を回避もできそうです。昨今、車の事故も多いですが、危険を想像する事でより安全に運転もできるのではないでしょうか。

「モータースポーツと花」の題目からのスピーチでしたが、想像力豊かな私らしい締めくくりのスピーチになりました。


(二作目)

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