2021年1月の生け花・エッセイ





【花材】
胡蝶蘭、仏手柑、南天の実、たちひかげ

【制作意図】
迎春らしい花を考えていますと、宝船が頭に浮かびました。
おめでたい花材を集め宝船が躍動的にやって来るイメージで制作しました。
獅子舞いの飾りはもちろんコロナ退散を願い飾りました。

【今月のエッセイ】

新年おめでとうございます。コロナ禍のなかでの新年です。まだ感染者が増える傾向ですから、いつものお正月風景も見られない年末年始でした。

私は年末は迎春装花で忙しくしておりましたが、正月三ヶ日は久々に家の中で家族とゆっくり過ごしました。

確かに昨年一年間はコロナの影響で、それまでの生活とは違う日々でした。花業界への売り上げ低下の影響も大きく、私もイベントや婚礼の中止などの影響を受けました。ただこのようなネガティブな面を考えることばかりでなく、コロナ禍で新しい時代の兆しも感じられたと思います。新しいアイデアを生み出すのも、マイナス要因があってこそだと捉えるのも学んだ気がします。

常々私は「花に学ぶ」を唱えますが、まさに花や自然界に学ぶことは、今の時代に学ぶことに通じると思います。

花を生ける事や花を装飾する事は、華やかさばかりではなくて、自然界の厳しさも見る事ができます。美しい花ばかりに目を向けがちでが、衰えた植物や枯れ木や枯れた花もあってこその世界です。コロナ禍でネガティブになりそうな日々です。でも私は花を生けていると、それも含めての世界観を感じました。

まだまだ終息には時間がかかりそうですが、前向きに変化を取り入れ、そして新しい時代を生きる術を身に着けたいと思う私です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。



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