2021年5月の生け花・エッセイ


(1作目)




【花材】

(1作目) ライラック、五月梅、姫リョウブ、ライスフラワー、リューカデンドロン
(2作目) 菖蒲、オクラレルカの葉、姫リョウブ、グリーントリュフ

【制作意図】

爽やかな季節を緑の葉で表現しました。ライラックの花も美しい季節ですが、新緑が主役の作品です。今回もあまりデザイン的にならないように、ガラス花瓶に投げ入れてあります。

2作目は、当季の花らしく菖蒲の花が主役です。菖蒲は高く生けることが多いですが、今回は開花の花姿を強調した作品です。

【今月のエッセイ】

爽やかな季節になって来ましたが、京都は非常事態宣言中で各施設や飲食店なども閉まっています。昨年のゴールデンウィークと同じく静かな京都です。コロナ前までの京都の賑やかな観光地の様子を思いますと、閑散とした街並みは寂しい限りです。やはり観光都市として成り立つ京都なのだとつくづく思います。

さて、そんなゴールデンウィークのある日に亡き母の13回忌法要を行いました。仏壇には母の好きだった花、薄い紫色の「みやこわすれ」が数輪生けてあります。生前母はたくさんの花を庭で育てていました。父が後を継いでおり、自分で育てたその「みやこわすれ」をそっと生けてくれました。優しい父らしいです。

今年は母の亡くなった年とカレンダーの日付が同じになりました。よく覚えているのは、ちょうど母の日週間だったからです。肺癌を患い緩和療法をしており、その週に少し容態が悪くなってしまいました。そしてその週末の日曜日、まさに母の日に亡くなりました。

今、私は母の日ギフトの準備に追われています。たくさんのご注文を頂き、とてもありがたい事です。お母様への感謝の気持ちをフラワーギフトに添えてお贈りする…そんな皆様のお手伝いを出来るのは、とても嬉しいですし幸せな気持ちを頂けます。

母が亡くなって以来、母の事を思い出さない日は無いように思います。母が、旅立つ日を母の日にした事は、歳を重ねた私に今も大切な事を教えてくれます。亡くなった母には今も感謝の日々です。





(2作目)


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