2022年7月の生け花・エッセイ

(1作目)



【花材】

(1作目) 檜扇、桔梗、黒ほうずき、リンドウ、トルコキキョウ、油ドウダンツツジ、リキュウ草
(2作目) 桔梗、リキュウ草、油ドウダンツツジ


【制作意図】

祇園祭に飾ります日扇を生けました。小さな黄色の花が咲きますが、見所は葉の形が当に扇状になっています。鉾町ではこの日扇だけを床の間に飾り、祇園祭を祝います。

今回は夏らしい草花、桔梗と利休草そして黒ほおずきと合わせみました。ほおずきが祭りの提灯のようです。

小さな生け花は桔梗にピントを合わせました。ガラス花器は日本酒の空瓶です。手近にある物を使っての生け花も楽しいです。


【今月のエッセイ】

早い梅雨明けの京都です。今年はコロナ禍で中止されていました祇園祭の山鉾巡航も3年ぶりに行われます。7月いっぱいが祇園祭ですので、街中の飾りも賑やかになり祇園囃しの音色もあちらこちらから聞こえて来ます。ずいぶんと懐かしく感じますと共に、コロナ禍は本当に大丈夫かしらと少し懸念しています。

私も先日、コロナ以前のような花のワークショップを開催しました。お世話になっておりますハウスメーカー様の住宅展示場主催で、少人数の方々にお越し頂きました。フラワーアレンジや生け花の講習と言うより、モデルハウスでの会ですので少し趣向を凝らして「暮らしの花」をテーマにしました。私が思う①花との出会い②花の楽しみ方③花から学ぶ事、をお話して皆様と共に④花を生ける、に繋げる花会のスタイルにしました。見本があり、その形に向かって作り上げていく花のワークショップも楽しいですが、今回は私の話しをもとに、花選びから花を生けるまで自由にしていただきました。

皆様といろいろ会話しながらの生け花の時間。初めてこういう会に参加しますという方からは、花束をもらった後に活けるコツを知りたいと質問があり、せっかく素敵なモデルハウスでワークショップをしているので、ご自分のお家のリビングに見立てて実際に一緒に飾ってみたり!お茶を習われている方は、デモンストレーションで少し広い空間に大きめに生けたお花をぐるりと一周見られ「お茶会の床の間の花は正面から拝見するスタイルですが、先生の生けられたインテリアとしての花は360度、どの角度から見ても美しいですね」と言って頂いたり!お花の話をしだしたらクドく・長く・終わりなく?!(笑)なってしまう私と、出来上がりました皆さんの花を囲んで感じることや学びや発見で盛り上がり、楽しく充実した時を過ごす事ができました。

「花のある暮らし」と言うフレーズはコロナ禍でお家時間も増えたので、ここ最近よく聞かれます。今回参加して下さった方も、早速お持ち帰り頂いたお花を自宅の飾る場所に合わせてアレンジして、いろいろ楽しんでらっしゃる様子をSNSで拝見しました。季節を感じたりインテリアとして飾る「背景としての花」ではなく、コロナ禍においては、家族のコミュニケーションにもきっといい効果があるのではと…あったらいいなと思った一日でした。




(2作目)

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