2023年6月の生け花・エッセイ

(1作目)





【花材】

(1作目) けむり草、オバケアンスリウム、カラテア、ゴールドスティック
(2作目) けむり草、ブルーベリー


【制作意図】

スモークツリーと大きなオバケアンスリウム。どちらも主役級の存在感がある花をあえて共演させてみました。うまく共演しているのか、また対決しているのかな?は見る方にお任せしておきます。生けます私は結構ワクワクして制作しました。


【今月のエッセイ】

今年は梅雨入りが早く、また台風がもうやって来るなど天候不順になり6月の始まりとなりました。私の子供時代の梅雨の雨はしとしと降るイメージでしたが、昨今は熱帯地方のような豪雨が多くなったと思います。豪雨の次の日はとても爽やかな快晴に恵まれるという、日本の四季の移ろいの感じ方も変わってきています。

そんなある雨上がりの翌日、快晴の下、久しぶりに京都御苑に散歩に出掛けました。強い雨に洗われた緑の木々や草花達は、いつもより輝き生き生きとしています。ちょうど新芽の時期の植物も多いので、その明るい緑色の美しいこと!京都御苑の森の道は水捌けが良くて、歩くには埃も立たずいい感じで、大層な言い方ですが大地を感じました。木漏れ日の中で気持ち良くリフレッシュできました。


生け花に於きまして花と草や葉、そして枝と分類して考察してみます。確かに美しい花には「わぁーきれい!!」と心躍りますし、草葉には花を引き立てる美しさと共に命の輝きも感じます。そして枝物。今の季節によく用いるのはドウダンツツジやナツハゼなどがあります。もちろん木枝だけの生け花も美しく生命感もあります。木と花の組み合わせは自然界の再現のようです。思い返しますと、私の私的な生け花。(これは仕事で花を装飾するのとは別に、私が楽しみたい生け花の事です。)

けっこう枝物だけをガラス花瓶に入れてインテリアとして楽しんでいました。先日の京都御苑での森のリラックス感と、リビングに置かれた木枝の生け花。よぉく観察して自身の心地を探ってみます。インテリアとして良いなぁと思い置いてありましたが、木の持つ心地良さは、そこに大地を見出す事が出来る気がしました。

大地とは大層な言い方ですが、地面に根を張ってたくましく立つ木に癒やされる本能が人にあると思います。水・大地・そして草木。本来の地球上の姿ですものね。などと、つらつらと考えていますと、大地があってこその自然界。人の生き方にも心の支えの大地がある事が大切だと思う今日この頃です。





(2作目)

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