1月の生け花・エッセイ


【花器】 鉄のキャンドルスタンド
【花材】 白椿・サンキライの実・金色に塗られた葉(造花)
【新春の生け花】

毎年迎春の生け花をするとき「今年は何か斬新なアイデアを創り出そう」と意気込むのですが、ぐるぐるといろんな考えが頭の中をめぐり結局落ち着くところは「やはり正月には【松・竹・梅】を生けなくては」と、古風な考えにたどり着きます。

しかし限られた花材のいろいろな表現方法は面白いものです。今回は青竹を横にして花器とし、松や千両を入れまぜずに種ごとに分けて生けてみました。そのほうがすっきり見え力強さもあり、新年の凛とした気持ちも表現できるのではないかなと思います。
【エッセイ 第三十一話】

新年明けましておめでとうございます。
明けてねずみ年、干支の最初の年の始まりです。

元旦には新しい年の指針を考え静かに過ごす・・・などと書きだしたいところなのですが、実のところもう3日には担当しているお店の正月花を生けなくてはならず、元旦からそわそわと花の準備を考えたりしてしまいます。前もっておおよそのデザインは出来上がるのですが、花材を実際手に取って生けてみると、予定していた出来上がりとはがらりと変わることがあります。枝ぶりや花の開きや勢いをどう自分が感じるかによって、生け方をその場で決めるからです。これが実は苦しい作業ではなく、花のおもしろいところでもあります。

昨年より続けてまいりました私の「花の会」。その場で花を生けるところを見ていただく・・・そこで私が学んだ事は、花を生けることがただの即興的なパフォーマンスでは駄目だということです。まだまだ勉強不足な自分がいます。今年はもう少し「気」というものを感じながら花を生けてみたいです。その感覚をうまく言葉にして説明できないのですが、花・器・その場の空気と、それを繋ぐ「気」というものを感じることが出来ればなと思います。以前は花を目で見て、形や表現を整える事こそが美しい作品の第一歩だと思っていたのですが、今年は少し目で見ることだけに頼らず「気配感」を研ぎ澄ませ、より一歩、自分のモットーとしている【花はそこにあるだけで美しい】と言うことを表現していければなと思っています。

今年も宜しくお願い致します。


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