2024年11月の生け花・エッセイ






【花材】

木いちごの紅葉・オンシジューム・バラの実


【制作意図】

いよいよ紅葉のシーズン。少しオレンジ色の木いちごが美しいです。オンシジュームを使ってモダンな感じに生けました。バラの実を入れる事によりナチュラル感も出たと思います。


【今月のエッセイ】

■大腸癌手術入院顛末記①

手術室に入り麻酔科の先生の「はい。大きく息を吸ってください。」はいはい。息吸いますよって思った瞬間から意識が無くなったようです。そして手術担当の消化器外科の先生が「終わりました。ストーマ(人工肛門)無しでいけました。」の言葉に目が覚めました。先生が続けて「お疲れ様でした。5時です。」

まだぼんやりする頭ですが、ストーマは無しでよかった。と思ったと同時に「ええっ!5時!なんだ!」と言う事に驚きました。朝9時過ぎには始まった手術がおよそ丸一日かかりました。前日の説明で5時間ほどかかるとは聞いてはいましたが、随分長く眠っていたもんです。で、また頭がぼんやりしだし眠り出したようです。

次に目が覚めたのは何時かもわかりません。酸素マスクを付け身体からチューブや管が出ていてます。両手も点滴されてベッドに横になっていると言うより張り付いている感じでした。そして定期的に足が機械でマッサージされます。手術前に聞いた血栓予防だと思いながら、改めてすごい大きな手術だったと自覚しました。

痛みがあるようですが薬が効いているのであまり感じません。それより目に入る心電図の波打つ画面。映画やテレビドラマなどで見た集中治療室の風景にいる自分の姿。こりゃ重病人だわ。と思いつつも今は何時かな? 少し動きたいなぁ。などなどを考えながら眠れない時間が過ぎます。

今まで大きな病気も無く、今回始めての入院と手術。不安だらけな気持ちで入院日を迎えました。病室で手続きを終えて、明日から始まる手術前の絶食と準備に備えます。その日の担当の看護師さんに加え、もう一人若い看護師さんがペコリとお辞儀してくれます。大学病院ですので看護学校の生徒さんの実習生の方です。私の了解を得て手術前そして術後も私の看護にあたってくれます。その第一印象の爽やかな事。マスクをしておられるので口元はわかりませんが、とても清々しい笑顔を見せていただきました。心細い気持ちの私も自然と笑顔になります。おかしな言い方ですが、これから始まる入院生活に希望が持てました。

顛末記②に続きます。







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