8月の生け花・エッセイ

【花器】 ガラスのコップ・ビー玉・オアシス
【花材】 スチールグラス・ミスカンサス・クロトン・木イチゴ・白薔薇
【生け方の解説】

今回のお花は薔薇一輪だけで、あとはグリーンの葉などの花材で涼しい感じに生けましょう。ガラスコップにオアシスを入れ、まわりにビー玉を詰めて下さい。涼しげに見えますし、オアシスも固定できます。

まず線のようなスチールグラスを2つのコップを橋渡しするように生けていきます。ミスカンサスの葉は柔らかいのでスチールグラスに乗せるようにすると格好がつきます。

口もとを引き締めるように木イチゴの葉を入れアクセントとしてクロトンの葉を足します。仕上げは白薔薇一輪をラインの動きに合わせ、リズムを崩さぬように生けて下さい。ふたつのコップを前後に動かしながら、作品の一番いい表情を見つけて飾りましょう。
【エッセイ 第三十八話】

毎日暑い日が続いています。京都の夏は例年蒸暑くて大変なのですが、今年はそれにもまして連日30度をこえる猛暑ですので、お花の生けかえに走りまわっております。

さてそんな猛暑にも拘わらず元気に咲く花たちにパワーをもらいながら、新しいデザインのアイデアを考えているわけですが、その発想の源は果たしてどこにあるのかしら?とたまに自己分析をしてみます。

もちろんいつも述べています自然や植物自体の姿にヒントを得るのは大切なことですが、そればかりだとどうしても切り口が同じになる傾向があります。

そこで私はデザインが行き詰まってしまった時に新たな感性を刺激する方法として、ひとつ面白いアプローチをします。

まずは花の仕事の事は忘れて、自分の好きな趣味の分野のことばかり考えだします。私はモータースポーツが好きで、前にも述べましたようにミニチュアカー収集もします。最近のお気に入りは、そのモータースポーツで活躍するミニカー集めなのです。

真夜中あたりに少しワインでも飲みながら、集めたミニカーをしみじみと眺めているわけですが、そんな至福の時こそが新たなひらめきがあります。車の形やデザインからヒントを得るのかしらと思いきや、実はそればかりではないのです。

レースで使う車とはやはり競争する道具ですので、技術の進化の表れです。時代、いや極端に言いますと一戦一戦ごとにもデザインが違います。まさにその旬のデザインなわけです。私はその車たちが活躍している場面を思い浮かべ、スピードの極限へ挑むその切ないまでの瞬間の美しさを想像するのだと思います。そこでいよいよ花の登場です。

どこかに同じ美しさを私は感じ新たなデザイン発想へのモチベーションとなるわけです。なんだか自分のミニカー収集の正当化のようですね。そんなこんなで・・・また今月も何台かミニカーコレクションが増えました。


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