12月の生け花・エッセイ

【花器】 ガラス足付コンポート
【花材】 入才ラン(ブラウン)・ダリア・スプレーピンポン菊・カーネーション・レモンリーフ
【生け方の解説】

今回はXmas飾りです。ワイングラスにフローティングキャンドルを浮かべ、そのまわりをお花でアレンジしていきます。

①まず鉢皿に薄くオアシスをセットして、中央にワイングラスを置きます。倒れるのを防ぐ為にデープを貼り固定しておきます。

②サツマすぎと黄金ヒバでオアシスをうめていきます。あまり詰め過ぎるとほかの材料が入らないので、軽くオアシスが隠れるくらいにします。丸くリング状に仕上げました。

③薔薇を全体にバランスよく配置しましょう。あとの花材は、薔薇のあいだに色合いを見ながら入れていきます。仕上げにサンダーソニアを飛ばすと動きが出て面白いです。
【エッセイ 第五十四話】

12月に入ると花き業界は大忙しです。Xmasと迎春、毎度のことですが気忙しくあれこれと仕事を片付けていきます。

さて、前回お知らせ致しましたラリック展も無事に終わりました。5日間という花の展示会としては少し長い期間でしたが、毎日たくさんのお客様に起こしいただきました。誠に感謝する次第です。

今回は期間が長かった事が私にはいい勉強になりました。今までは、花は生けあがった時が一番きれいな瞬間だと思っていました。ですからこれまでの個展は「花の会」という名で、お客様の目の前で「今が一番きれい!」というような花を生けて、出来上がったまさにその瞬間を楽しんで頂いておりました。

今回は開催前日に生け花をしましたから、日が進むにつれ花が痛むのが気掛かりでした。花は暖房やライトの熱に晒され、日ごと、いや刻々と変化していきました。蕾で生けた花は開花し、開花で生けた花は咲きほこり今にも散ってしまいそうです。

また熱に弱い草花は少し萎れたふうにもなっています。もちろんお客様が少し引ける合間をぬって生けかえなどのメンテナンスもしているのですが、やはり最初の勢いはありません。ただ今回、私はその変化していく姿こそが命ある生花ならではの美しさと感じました。

新しく咲く花も、萎れていく花や葉も、すべてが私の生けた花で、それはとても愛しいものだと感じました。また生けあがった時とは葉や花のバランスも変わるところなどは、生け手の及ばない、デザインを超えた生命感を感じさせてくれました。

いつも花を生けている私ですが、あまりにも仕事的になり過ぎてデザインや、ただ見た目の華やかさばかりに傾倒していたようです。またひとつ花に教えてもらいました。


ギャルリーオルフェ http://www.g-orphee.com/lalique


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