2月の生け花・エッセイ




【花材】木瓜・菜の花
【制作意図】

立春も過ぎました。これから咲こうとする木瓜の蕾と菜の花のちらほら咲きを合わせてみました。赤色とグリーンのコントラストに柔らかい春の日あたりを感じる作品としました。

【今月のエッセイ】


如月 節分の頃は一番底冷えのする京都ですが、今年は暖かい一日となりました。もしかしたら例年より春の訪れが早いのでしょうか? コブシの花、木蓮の花、待ち遠しい早春の花たちです。いつもの通り道にあるコブシの花は私の春の扉の目印になっております。桜や桃の花は切り花で店頭でも見かけますが、野趣溢れる枝ぶりのコブシの木に花が咲く時こそが春の訪れと感じます。


さて先月お正月の松飾りもとれない頃に 、私が花屋の修行をさせて頂いていた花店の会長がお亡くなりになりました。私が働いていた頃は会長もまだまだお若く 、仕事一筋の厳しい花店の社長でした。 思い出しますと会長はいつも挨拶の大切さを厳しく仰っておりました。花店の仕事はたくさんあります。花の名前を覚え水上げの方法を知り、花の販売 ・装飾 ・配達などなど、学んだことはたくさんあります。でも仕事の仕方を会長から伝授して頂いたことより、礼儀正しさや挨拶の仕方を厳しく躾られたことこそが今の私の基礎となっております。


葬儀の日、当時の同期生たちとも久しぶりに再会しましたが、皆くちぐちに言いますのは厳しい躾の思い出でした。そして、たくさん叱られたことに皆が感謝しておりました。

会長のご冥福をお祈り申し上げます、と共に大きな感謝をお伝えし、
ますます精進していこうと思っております。







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