5月の生け花・エッセイ



【花材】バラ(ダークレディ) ミスカンサス(縞模様の葉)、カラー(背景のグリーンの茎)
【制作意図】

大輪のバラをブーケスタイルで生けてみました。イングリッシュローズとも呼ばれ咲き方も素敵です。濃い色を使いましたのは緑の葉と背景の薄いグリーンの茎 を作品に取り込みたかったからです。

【今月のエッセイ】

爽やかな季節となりましたと言う時期ですが、今年は温度差が激しく夕方からは未だに厚めの上着を羽織ったりしています。大型連休中は婚礼装花に追われ、いつもよりたくさんのお花を仕入れ事務所はいい香りに満たされておりました。

すごく忙しく仕事をしていても、花好きな私は花に囲まれる幸せを感じてしまいます。予定よりもたくさん仕入れてしまい後であれっ?ちゃんと仕事になっていたかしら?って思うのですが、きれいな花を揃えて悦に入っている自分がいます(≧∇≦)


5月の第二日曜日は母の日ですね。母が亡くなって4年たちますが、命日がちょうど5月です。きっと母は命日を忘れ無いように5月を選んだのかも知れません。でもいつも母の姿を思い出させてくれるのは実家の庭にあります牡丹の花です。生前いつも母は大切に庭の花たちの世話をしておりました。

亡くなってからは父が引き継いだのですが、毎年連休中に美しい大輪の牡丹が咲きます。赤白と薄いピンク色と3色が咲き揃います。牡丹と言いますと華やかなイメージがありますが、母の育てた花はふんわり優しく咲く姿がなんとも上品です。いつも咲くと自慢気にしていた姿を思い出したり、また咲くまでの細やかな世話をする母の姿を思い出したりします。


四六時中、花に囲まれて仕事をしており、たくさんの花を生けてますが、そう言えば母を亡くしてから牡丹の花は生けて無いような気がします。大切な思い出として生けるのを控えていたわけでもありません。たまたまその機会がなかっただけです。

が、じゃあ牡丹を生けてみようかと考えてみますと、うーん、やっぱりこれは特別な花ですね。亡き母を偲ぶことはもちろんですが、庭にふんわり咲く美しい姿があまりにも印象強くて…あんなに美しく生けられそうに無いです。 母にもっと精進しなさいと言われそうですね。


母の日はやはり白いカーネーションを生けようと思いました。



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