3月の生け花・エッセイ






【花材】
ラナンキュラス、トルコキキョウ、スイトピー、スカビオサ カーネーション、ミニバラ、ピンポン菊、ブプレリウム オンシジューム、グリーントリュフ、リキュウ草、コデマリ

【制作意図】
道端の草花が冬から春へ移り変わる様子を表現してみました。
春の兆しを感じる色合いの草花を取りそろえ、特に緑のラナンキュラスに心惹かれたので
主役にしてみました。草花の勢いを感じるようにたくさんの種類を合わせています。


【今月のエッセイ】
3月に入りました。今日は暖かくいよいよ春めいて来ました。花粉も飛んでいるようで、くしゃみが出るのも季節感のひとつかなと思ったりしています。いつもの道端の梅の花も美しく、また草花たちも緑が濃くなっていました。こちらのほうこそが季節感なのでしょうね。

さて春は行事も多く花業界は活気付きます。私も卒業式の花や展示会の装花などに駆け回る日々です。例年の行事ですので毎年同じような花材を生けてしまいがちです。花の色や種類はたくさんあるのですが、どうしても卒業式らしくとか入学式らしくとかを考えますと例年代わり映えがしないかなと考えてしまいます。

そこで花市場での仕入れが勝負となります。 昨今は花材の種類は本当たくさん有ります。
桜や桃の木はもちろん、ミモザや雪柳と花市場は植物園のようです。また薔薇やカーネーションなど昔からの定番の花は品種がたくさん増えました。ほんの少しの色の違いや咲き方の違いなどで個別に品種名が違います。 見渡しながら、今度の生け花は何を使おうかしらと選ぶのは楽しくテンションも上がります。花材選びで作品の8割方が決まるという感じです。 で、一度使ってみてお気に入りの花材になった花をまた仕入れようとしますと、品種が多過ぎて名前が思い出せ無い事がしばしばあります。

最近はネットで画像を調べて品種を見つけるのも可能な時代ですが、こと植物ですのでその花の開花時機の温度や日照が影響するので、できる限り、やはり自分の目で確かめての仕入れが大切です。 そして目で見るのと同時に自分の五感で感じるのも大切だと思います。 植物と人の出会いがそこにあると思います。

長くこの仕事をしていますが、まさに一期一会の花選びですね。

                           



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