10月の生け花・エッセイ

【花材】
  テロピア ワラタ ・ ユーカリ  テトラゴナ ・ ケイトウ ・ビブルナムティヌス ・
  リューガデンドロ

【制作意図】

珍しい花材が揃いましたので、個性的な生け花をしました。

どの花もそれ一種でアートフルな植物です。

形を整えて生けるより、ひとまとめで不思議な一つの植物になるように生けてみました。

出来あがり眺めていますと、砂漠に突然現れた宇宙植物みたいだと思いました。

【今月のエッセイ】

また週末に台風接近の予報です。本当に今年は台風の多い年になりました。
被害の無いことを願うばかりです。

台風通過の時は事務所に籠って事務処理などをしている私ですが、合間にネットを覗いていますと、先日亡くなられた樹木希林さんの記事がたくさん出ています。

希林さんの生き様はたくさんの方が絶賛されています。

映画好きの私にとっても、役者として、また人としてもとても魅力ある方で注目していました。ですから、これまで出演されてきた映画もたくさん観ていました。

亡くなられてからも関連する画像や音声をネットで探していましたところ、希林さんがナレーションをされているドキュメンタリー映画の「人生フルーツ」に行き当たりました。

希林さんがラジオで「映画の説明はしません。観てください」と言っておられる録音を聞いて、ネットを探してみますとYouTubeにアップされているのを見つけました。

さっそく観てみますと、老夫婦の日々の暮らしの素敵な物語でした。東海テレビの作品ですが有名な映画で、ミニシアターなどで公開されていたようです。

淡々と老夫婦の日常が描かれていますが、とても感銘を受ける映画で観ているうちにどんどん引き込まれていきました。老夫婦がお互いを思い遣り、また愛しく思う姿が美しくて感動してしまいました。

私も老人と呼ばれる年齢になってきました。昨今、歳をとっても若々しい人も多いですし、また若々しくいることに重きを置かれる傾向もあると思います。

もちろん健康に留意して若々しいのは素敵なことです。でも確実に歳はとり老いていくのが人間です。

老いていくことが素敵なことで、そして老いてこそ丁寧な暮らし方と、出来る事を淡々と行いながら過ごし、自然に感謝する生き方を教えて頂いた映画でした。

まだ現役で仕事をして若々しく頑張るぞっ！と意気込んでいる私はまだまだ子供なんだなと思うと共に、老いていく美しさを極められるお爺さんになりたいなと思った私です。