12月の生け花・エッセイ



【花材】
ポインセチア(ピンク)、コニファー(ライトグリーン、ブルーアイス)、野ばらの実、リューガデンドロ、松ぼっくり、ユーカリの葉(ドライ)
【制作意図】

ポインセチアを印象的に生けました。大人な感じのクリスマスパーティーを想定しています。静かなホワイトクリスマスです。
二作目は森で集めた枝をスワッグ状にしました。形を整えずに束ねました。

【今月のエッセイ】

あっという間に師走に入り、街はイルミネーションでキラキラと彩られどこもクリスマスムードです。流行語大賞やお笑いのM1などの話題も聞かれ、すっかり現代の年末風景の風物詩となってきているようです。昔から京都は歌舞伎の顔見世興行が始まり、劇場となる南座に役者の名前が書かれた「まねき」が上がると師走の始まりです。

私も大人になってからは、この南座の「まねき」を見ると何だか気忙しくなります。いよいよ迎春準備の始まりです!これから花市場でも松の市・梅の市と続き、私のアトリエも迎春用の花だらけになります。


さて、先日のことですが毎年11月に催される華道池坊の花の展示会「旧七夕会」に出かけて来ました。もともと池坊を学んでいた私は毎年楽しみにしている展覧会です。そしてその数日後に、先月に引き続き京町屋のごはん屋さんで生け花のデモンストレーションを見て頂く機会がありました。

今回は「日本酒・お料理・花」のコラボレーションで、お客様はお酒とお料理を楽しみながら生け花を見て頂きます。皆様に楽しんで頂けるように、私自身も形にはまらずリラックスした生け花をしようと思いました。二つの大きな作品を生けながら花と植物、そして華道の話もしました。私なりの自由な表現での作品を皆様に楽しんで頂けたようです。

お料理・お酒と場もリラックスし皆様盛り上がっていましたから、花の作品もその場に合うように、おおらかにダイナミックに生けました。デモンストレーションや皆さんとのお話も落ち着いた後、あらためてゆっくり出来上がった作品を少し離れて俯瞰で見ると、ダイナミックな中にも繊細な表現をしていることに気が付きました。

決まった時間の中でライブ感を大事にし、勢いよく即興で生けたつもりでしたので、自分でも意外でした。数日前に華道展で流儀の生け花を見た影響が、無意識下にも心に残っていたのかもしれません。そう思いますと、私の生け花の礎が華道にあるんだなと今一度自覚した日でした。



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