2023年3月の生け花・エッセイ

(1作目)




【花材】

啓翁桜、こでまり、アルストロメリア、トルコギキョウ


【制作意図】

(1作目)今回も平たい花器、水盤に生け花の基本形で生けてみました。啓翁桜を主役として春の兆しの表現です。

(2作目)アンティークな花器に桜の蕾を生けました。枝の折れたところをわざと生かし、苔をのせて留めてあります。細い枝ですが、生命力を感じ生けてみました。


【今月のエッセイ】

3月に入り暖かい日が続いています。花市場で仕入れました啓翁桜や東海桜が早くもきれいに咲いています。桃の花や梅の花に混じって、サンシュ・まんさく・レンギョウなどの黄色の花が咲き始めると春の兆しを感じます。木の花たちが美しい季節がやって来ます。やはり四季があるのはいいなと改めて感じます。

そして3月、私の好きなモータースポーツのF1グランプリも開幕です。ワールドワイドなスポーツイベント。思い返しますとF1グランプリに興味を持ち始めたのは私が中学生の頃です。となるとナント50年にも渡り、毎シーズンを楽しんでいた事になります。当時の日本ではF1はまだメジャーなスポーツでも無く、新聞などにレース結果が発表される事もなかったと思います。私は数少ないモータースポーツ雑誌を買い集め、レースの結果と写真を楽しみにしていました。その後ホンダやトヨタの参戦もあり、今はずいぶんとメジャーになりました。
F1はモータースポーツですが、私が長きに渡り惹かれる理由は、コンペディションな部分はもちろんですが、そのイベントがヨーロッパ文化の一部であるところです。中学生の頃、フランスやオランダの風景の中を疾走するレースカーに少年の私は異国への憧れを募らせ、飽くことなくまじまじと写真を眺めていたのでしょう。

そして現代のF1イベント。その華やかで壮大な事。今はのどかな風景ではなく、ハイテクときらびやかなイベントステージとで開かれています。

50年の月日を感じます。一枚の絵画のように古き良き時代のF1を懐かしむ間もなく、次々と進むハイテクな時代に驚き少し寂しく思っています。

とはいえ中学生当時、2週間も遅れて現地の様子やレース結果を知っていた私も、今やライブとオンラインでリアルタイムにレース情報を手に入れる時代ですからね。ありがたい時代ですね。



(2作目)

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