【花材】
牡丹桜、トルコキキョウ
【制作意図】
都をどりの華やかな舞台を思い浮かべて生けました。
濃いピンク色の牡丹桜は枝の動きも面白く、舞いの感じが出ます。
都をどりの華やかな舞台を思い浮かべて生けました。
濃いピンク色の牡丹桜は枝の動きも面白く、舞いの感じが出ます。
【今月のエッセイ】
■桜の季節
「都をどりは、ヨーイヤサー」
都をどりの幕開けの掛け声です。毎年4月1日から始まります京都・祇園甲部の舞踊公演。まだ20歳になったばかりの頃、母に誘われて初めて舞台を観に行きました。舞妓さん芸妓さんの華やかな世界を知った瞬間です。
(3月 北野をどり/上七軒、4月 都をどり/祇園甲部、4月 京をどり/宮川町、5月 鴨川をどり/先斗町、11月 祇園をどり/祇園東)
四条花見小路に大きな都をどりの看板が建つのは3月の中盤くらいかな。当時はまだ日本舞踊や花街などには興味もありませんでした。が、仕事でお茶屋さんにお花を活けはじめてから、今では花街の話題や舞妓さんや芸妓さんによる季節行事のニュースなども非常に興味深く、とても身近に感じるようになりました。
舞台からは、をどりが素晴らしいのはもちろん、舞妓さんのかんざしが毎月の季節のお花になっていたり、着物の柄のデザインやお茶会に出される当期の和菓子のモチーフなど、演目の細部から日本文化のいろいろなことを勉強出来ます。鑑賞される海外のお客様も増えて来ましたが、日本人でも知らなかったこと、この年になって初めて知ることも多いです。もちろん今の歳だからこそ興味深く感じ入ることが出来るようになったのかもしれませんが・・・
桜の季節。ありきたりですが新たな始まりを感じます。昨年に癌の告知を受けたせいでしょうか、いつもの年より感じ方が深いように思います。一年一年の積み重ねを大切に思うようになりました。毎日通勤の道。桜並木を通ります。蕾から徐々に花咲くまで。一日一日を楽しみに、そして時の過ぎゆくことを感じながら見ています。
母との「都をどり」の鑑賞。20歳の頃好き勝手に過ごしていた私としては、二人で出かけること自体もけっこう照れくさい出来事でした。でも桜を見ると一番に、母と二人きりで観た「都をどり」をありありと思い出します。今ならきっと、もっといい感想を言えて良い話し相手になれたのにな~と。
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