11月の生け花・エッセイ

【花器】 ヨーロッパ調コンポート
【花材】 ダリア・シキミア・ユーカリ(ポポラス)・秋色紫陽花
【洋花のフラワーアレンジで秋の表現】

背の高い花器にオアシスを使い、ヨーロピアン調にアレンジしてみました。

このような背の高い花器には背の高い大きな花を生けたくなりますが、今回は少し工夫して、花器とうまくバランスをとりながら口元にボリュームを持たせて生けてみました。

夏の生け花とは違いあえて花の動きを抑えて、色と形を強調した「かたまり感」を出すのがコツです。

器と馴染むよう下への流れをユーカリでつけていますが、これも同じような調子で生けるほうが全体として落ち着きのある作品に仕上がります。
【エッセイ 第二十九話】

去る10月24日に、私の個展「花の会」を催しました。

今年は自分としても「花を生ける」ことを見直してみたく、季節ごとに個展を開いています。春・夏・秋と、今回で3回目の花会でした。

私の個展は作品展ではなく、来ていただいた皆様の前で花を生けるところを見ていただきます。あらかじめ生ける作品をデザインしているわけではなく、その場で、即興で生けていきます。

前日に花屋さんで旬の綺麗な花材をそろえ、会場にて持ち合わせた花器にその場で試行錯誤しながら「生けていく様」をお見せするわけです。今回は知人の方が特別に素晴らしい花器を貸し出してくださり、いつもより少し緊張しながら花を生けました。

春・夏と続けて来てくださっているお客様のひとりが私の花を生ける様子を「パフォーマンス的なイベントではなく、花と私が語り合いながら生けていく様が私らしい」と評してくださりました。

私も自然体で生けておりますので、普段と同じように手にした花を見て思わず口から「綺麗な蕾が付いていますね。この花の見所はやっぱりここかな~?」などど、つぶやきながら生けています。その様子を「花と語っている」と言う風に見ていただいたようです。

出来上がった作品の良し悪しはひとつもありません。技術やうまく生けるテクニックの発表の場ではなく「そこに花がある」という場面が、来てくださった皆様の癒しになる花の会になればと・・・これからも自分のライフワークとして続けていきたいなと思っています。


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