1月の生け花・エッセイ


【花器】 船形花器・金銀水引
【花材】 老い松 梅の苔木 南天の実
【生け方の解説】

新年らしい花材の取り合わせです。花器の色もゴールドですから器をよく見せて、より迎春らしくしました。花器の端に生けてあるのはその為です。

金銀の水引は花と花器の両方をとりこむように大きく巻いてみました。
【エッセイ 第六十七話】

新年おめでとうございます。いつもご高覧頂き誠にありがとうございます。

さて例年どうりの年末仕事。迎春飾りの生け花をしていますと、ご存知のとおりの大雪。京都市内も10数cmの積雪です。いつものお得意様のところへ伺うために、久しぶりにタイヤにチェーン装着です。さすが観光地の京都、雪景色も絵になるなぁ~などと悠長に思っていましたが道路は大混雑で、生け花をする手もかじかむはで大変な大晦日となりました。

明けて新年、雪景色のお正月です。慌ただしい年越しだったせいかいつもより新年の実感がないなぁと思いながらお節料理を頂きました。いつもはさあ新しい年になって、今年はどんなふうに仕事に取り組もうかしらと気持ち新たなに考え出す時なのですが、今年は全く考えませんでした。と言うより考えてない自分に気付きました。あらら、いよいよ燃え尽きたかしらと少し焦りました。

今年は新たなお仕事のオファも頂いており頭フル回転のはずなのですが、なぜかまったく白紙の指針。またまた焦ってしまいまいます(>_<)。そこで少し居直りのんびりとお正月を過ごしました。不思議なことに、さぁ今年も頑張って仕事していくぞっ!と言う気負いよりも、充実した気力が静かにあるのを感じました。昨年より自分のなかで繰返し思うフレーズに「丁寧に」「優しく」があります。まさにそんな気持ちを自然に気負いなく、花にまた仕事に生かしていければいいなと思いました。

雪景色の白さに教えられたのでしょうか、初心に戻って「丁寧に、優しく」が2011年の私です。


本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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