8月の生け花・エッセイ


【花器】-
【花材】蓮・フトイ
【製作意図】
茹だるような暑さのなか美しい花を咲かせます蓮。白蓮が手に入りました。太いの緑と合わせると、開花と蕾、線状の緑となります。
真夏に涼感とともに命の力強さを表現しました。
 【エッセイ 第八十六話】

暑い毎日が続く今年の夏です。またロンドン五輪で選手たちの活躍を見て心が熱くなる夏でもあります。そして8月は広島・長崎の原爆の日 の夏です。忘れてはならない平和を祈る日だと思います。 毎日テレビで五輪中継を見られるのは平和だからこそで、今も紛争を続けている国があることを思うと、平和の維持を怠ってはならないと強く思います。

さて、先日とても興味深いテレビ番組を 見ました。小さな女の子が四つ葉のクローバーを見つける話しです。クローバーの声が聞こえ「こっちに四つ葉があるよ」と教えてくれるそうです。お伽話のようですが見ていますと、本当にたくさんのクローバーの茂みから不思議なくらいの早さで四つ葉を見つけます。ほんと驚きました。そして女の子には聞こえている声を羨ましくも思いました。

と言いますのは花好きな私のただの思いこみで、お話しするのは恥ずかしいのですが、ある時花の気持ちを感じた気がしたからです。いつもの仕事でお客様宅へ花を生けていますが、夏場は花の傷みも早いため時間をみつけては生け花のメンテナンスに伺います。すると暑さでバテ気味の花や木たちの疲れが視覚よりも、なにか感覚として訴えかけてきた気がしたのです。 もし女の子のように声が聞こえたら「待ってました!早くお水をかけて涼ませて!!」と言っていたのでしょうか(^_^;) いやいやこの暑さで変な事を言ってしまいました。

しかし歳とともに花木や草に対する気持ちはなお一層優しくなったのではないかと思っております。





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