12月の生け花・エッセイ


 
【花材】 ウスネオイデス・ シキミア・ バーゼリア・ ユーカリ ・さつま杉・ 松ぼっくり シルバーブルーニア

【制作意図】クリスマスをイメージして実物をまとめてブーケとしました。
緑を少なめにしてユーカリの実やシルバーブルーニアのグレー色に冬の風景を重ねました。エアープランツのウスネオイデスはふんわりした面白い植物です。とろろ昆布みたいなところに惹かれました。
【今月のエッセイ】
例年の事ですが秋の婚礼シーズンを突っ走ると、あっという間に12月です。
今日の花市場は迎春用の松の市でした。早くもお正月準備をしなくてはならないのですが、もう少しゆっくり師走の京都を楽しみたいものです。
さて、そんな秋の婚礼シーズンに、私ごとですが息子が結婚式を挙げました。
いやはや子供の成長もあっという間の早さだと実感する次第です。息子より新郎の父として披露宴おひらき前に両家を代表してのご挨拶を依頼されました。
実は式の前日当日とも婚礼飾りの仕事を受け持っており、なかなか挨拶文を考えつかずにおりました。そんな時、新婦より「よくある挨拶よりお父さんらしくお花の話しをして下さい」と言われました。 うん、なるほど。それは得意分野ですから考え易いと思いました。
しかし花の話しを始めますと、ついつい熱く、またくどく語ってしまう私です。ご来賓の方々が帰れなくなってしまいそうです。そこで一言で結婚式らしい言葉を探しました。 秋は、紅葉はもとより菊花の季節でもあります。

「菊一輪、丹精こめて人の花」という言葉を息子に贈る挨拶としました。
新婦のご両親が丹精こめて育てられた大切な娘さんだという事を伝えたくこの言葉を選びました。
おかげ様で無事に挨拶をし息子を見ますと、それなりにわかってくれたようでした。
  しかし子供の成長とは、変な言い方ですが私をまたひとつ大人にしてくれたように思う秋の一日でした。

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