3月の生け花・エッセイ


 
【花材】 啓翁桜・ブプレリウム・スチールグラス・オンシジューム

【制作意図】 ①春の兆しは黄色の花からと言います。 黄色のオンシジュームを背景に、早咲きの啓翁桜を五線譜に見立てたスチールグラスに飾ってみました。間もなく春がやって来ます。

②背景に使いましたオンシジュームの生け花です。グリーンのブプレリュームをアレンジすると自然感が出ます。黄色だけよりもゆっくりした気持ちになりますね。

【今月のエッセイ】
3月に入り、まず思いますのは東日本大震災のことです。三年が経ちましたがまだまだご苦労なさっておられる方も多く、また福島原発の方も簡単には収束しないようです。
改めまして被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げますと共に、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げます。

2月の最終週に京都造形芸術大学の卒業制作展へ行って来ました。
例年通り学生たちの力のこもった作品を楽しんで見て来ました。私の講座を受講してくれました学生の作品を見つけては、写真に収めたりしてゆっくり会場をまわり一日を過ごしました。
実は卒展へ行く前日にとても嬉しい事がありました。それは私より先に卒展を見ました友人より連絡が入った事です。
広告の仕事を中心に活躍しております商業カメラマンで、彼はたまたま通りかかった大学の展示ブースで素敵な作品を見つけ、ぜひ作者と連絡をとりたいとの事でした。
学生の名前を聞きましたら偶然にも一昨年前に私の装花のクラスにいた学生でした。真面目に授業に参加し、また実習の時は真摯な姿で花と向き合う。そんな姿をよく覚えていました。
さっそくFBで連絡をとりますと、驚きと嬉しさの声を上げていました。やはりクリエーターたる者、ひとに認めて貰うことが何よりも嬉しいのは私も同じです。
そんな事もあり私も期待しながらその学生の作品を見に行きました。思った通り真面目で好感の持てる作品がそこにありました。 人作りは物を作り、物作りは人を作る。そんな言葉を以前にも話したと思いますが、まさにその言葉のように作者の人となりの真面目で気持ち良い作品ができておりました。
また4月から私の講座も始まります。丁寧に真摯な態度でひとを作ることの大切さ。私も精進しながら学生たちに伝えていきたいと思った一日でした。



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