8月の生け花・エッセイ






【花材】 アンスリウム・ビバーナム・スモークツリー


【制作意図】
アンスリウムは夏場でも花持ちが良いです。
ひと花ずつですと平面的になりがちですが、まとめて表情豊かな生け方をしました。
茎も細くて美しいです。その細い茎をあえて絡めて束ね、力強く表現しています。
夏の暑さに立ち向かうパワーとして!




【今月のエッセイ】

夏本番となりました。酷暑が続く京都です。

もともと盆地特有の蒸し暑さから沖縄から来た人でさえ「京都の夏は暑い‼」と言われます。今年の夏は京都に限らず各地で最高気温の新記録も出ています。

どうぞ皆様、お身体ご自愛なさって夏を乗りきってください。

さて私も暑さ対策をあれこれしながら仕事に励んでいます。仕事柄ラフな服装で過ごせるのはありがたいことです。

そして首に保冷剤を巻き込んだ手拭いを巻くのは効果的で、外回りには欠かせないアイテムになりました。

この暑さですから花の持ちも短くなりますので、定期装花の花選びにも大変苦労します。

花のプロとして夏の生け花を美しく見せる為には、まず花材選びが重要になります。
やはり夏には夏の花。旬の花材を使う事から考え、後は色あいの工夫です。

涼しげな取り合わせも良いですし、また反対に夏の暑さを情熱的に表現できる力強い物もたまには良いな、などと考えます。

日本の花生産者の方々は本当に丁寧に美しい花達を出荷してくださいます。
ですから花市場で仕入れをする際も安心して買うことができます。

インスタグラムでフォローしています北海道の花生産者のページを見るのはとても勉強にもなりますし、また丁寧な花作りには敬服致します。

商業用として生産される花は大量に作られ、日本各地の花店に並びます。私も出来上がった綺麗な花を買うのですが、市場に来るまでの最初の発芽の様子などの写真を見たりしていますと、何とも感慨深いものがあります。

いろんな方の手を経て成長し、花を咲かせ私の手元に来ています。
自然に任せて咲く花も風情がありよいものですが、人の手による花作りから生まれた花には、また違った趣と丁寧な物作りの大切さを教えてくれます。

そんな生産者の気持ちも私は受けて、夏の生け花に汗を流す毎日です。







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