2020年12月の生け花・エッセイ


(1作目)




【花材】
ポインセチア、サツマ杉、コニファー(ブルーアイス)、もみの木、ビブルナムティヌス(青い実)、紅の木(茶色)金の松ぼっくり
*二作目はプリザーブドフラワーで作ったリースです

【制作意図】
華やかなクリスマスをイメージしながら、葉っぱや実のものを中心にボタニカル調に生けました。
クリスマスリースも一緒に飾り周りのグリーンの美しさがより一層ポインセチアを引き立てています。

【今月のエッセイ】

早くも師走になりました。今年はコロナ渦の一年となり、今までとはまるで違う年でした。マスクは必需品となり、また何をするにも慎重にコロナ対策をしての行動を強いられました。本来ならばオリンピックイヤーで華やかな年になるはずでしたから、本当に残念な一年だと思います。しかし人類だけがこの地球上に暮らしているわけではなく、ウィルスや細菌も含めての自然界ですから、順応して行かなくてはならないのでしょう。

私が生まれてから60数年になりますが、大きな事件や災害そして世界情勢の変化がありました。その中でも今年のコロナ渦は、思いもよらないほど人間の生活に影響を与えたと思います。私も自分の仕事に大きな影響も出ました。ある意味、今まで動き続けていたリズムが止まる感じもありました。空いた時間に仕事や自分の生活を見直す期間にもなったようです。


そんな事を考えていたところ、友人が花屋を今年いっぱいでたたみ、花業界から引退することを聞きました。その友人は同じ時期に花屋修行をした仲間です。歳も一緒で、修行した花屋さんに入ったのも同じ時期です。彼は私より先に独立をして花屋をオープンさせました。オープン時には私も手伝いに行きました。


あれから35年を経て、今年限りで閉店となります。同じだけ花業界にいて、いつも連絡を取り合いながら、それぞれの仕事をして来ました。正直私としては寂しい限りです。


若かかりし頃、これから花の仕事をする意気込みや不安を語らい、またこれからの花業界を牽引する夢などを語らい、本当に思い出がいっぱいあります。引退を聞いた時、健康状態が悪いのかと心配しました。しかしいたって元気で健康な彼は、次の人生のビジョンをちゃんと考えての決断だったようです。いつも段取りがうまい彼ですから、今回もコロナ渦に関わらずの判断らしいです。

ともあれ長きに渡る花の仕事からの引退は少なからず彼自身も寂しいと思いますが、これからまた新しいステージに向かって行くバイタリティはいっぱいあるようです。私としては心配することもなく、そして応援することもなくても大丈夫だろうと信じています。かえって彼の決断から、私自身もコロナ渦を越えて新たなステージに向けて頑張ろうとエールをもらった感じです。



(2作目)

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