2025年1月の生け花・エッセイ





【花材】

グロリオサ、南天の実、ヒカゲカズラ、仏手柑、金色の枝


【制作意図】

迎春らしく赤と緑を基調に生けました。
金色の枝はヘビ歳らしい動きがあったので添えてみました。
仏手柑も縁起物です。


【今月のエッセイ】

「あけましておめでとう」少し寝ぼけ眼で家人と朝の挨拶。まずはお仏壇に手を合わせ、次は神棚に御灯明を灯して二拍手二拝礼。元旦の朝の儀式を済ませて御節の並んだ食卓を皆で囲みます。いたって昔からのお正月の迎え方を守る我が家です。おや?いつもの御節の他により輝く御節が。父が知り合いのフランス料理店の御節を奮発してくれました。抗癌剤治療が続いていますが、ちょうど休薬の期間。美味しくいただき、まさに滋養強壮となりました。

お天気がとても良くて毎年二日に恒例にしています大文字山登山を元日に行こうと思い準備をします。毎年大文字山に登るのは、京都市内一望の眺望の中で新年の目標を思いはせるのが私のルーティンです。でも今年は早く登りたい思いがありました。

入院中、病院の窓から正面に大文字山を見ていました。来年のお正月にいつも通り登れるのかしら? と不安な気持ちの中に、いや絶対登りたいと思い気持ちを奮い立たせた事も回復に役立ちました。

出発する時に父が「大文字の大の字の一番上に松の木があるのよ」と言いました。詳しく聞きますと、その根元に亡き母との大切な思い出の品を納めたと。それは二人の思い出の品なのか、または手紙なのか、は聞き出せませんでした。

大文字山は実家の窓からも正面にあります。近年は高いマンションなども立ちましたが、私が子供の時はいつも見上げると大文字山でした。だから父や母にとっても思いが深い山だと思います。

そんな話しを聞き登りました。さすがに体力低下で例年よりゆっくり休みながら登り、父の言っていた松の木に辿り着きました。振り返り京都市内を見ます。ぐるっと見渡していますと一点に目がとまりました。その松の木の真正面には、私が入院していた病院がありました。入院中に大文字山が気になり、何度も窓から見ていたのは母からの呼びかけだったのでしょうか。

「ああ、母に守られていたのね」

知らずと涙が溢れ、と言うより号泣に近いくらい泣き出してしまいました。まわりの皆様にご心配おかけし、また励まされての私です。それを大切に感謝しなさいと母から言われたと思います。

すべてに感謝する気持ちを大切に。

ありがとうございます。


※【花材】【制作意図】は後日掲載します ※1月14日掲載済

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