2025年3月の生け花・エッセイ





【花材】

桃、小手毬、ピンポン菊、トルコキキョウ


【制作意図】

雛祭りの3月。男雛女雛をイメージして制作しました。桃の花が美しく咲いて、今時の女性らしく華やかな女雛。ちょっとずんぐりした男雛となりました。


【今月のエッセイ】

■物忘れ

桂米朝さんの落語の枕で

「最近物忘れが酷くなってなぁ」
「歳とるとなぁ~。ワシええ薬知ってるで。それ飲んでから物忘れ、とんと無いわぁ」
「えっ、ほんまかいな!! なんちゅう薬や?」
「ええーーとなぁ????」

と、落ちがつきます。年寄り話しでよくある話題。若い時に聞いてクスクス笑っていましたが、最近は笑い話しで無くて現実味のある話しとなります。

そんな折、たまにチャレンジする新聞の娯楽欄に載っているクロスワードパズル、の横にあった漢字読み書きコーナーをしてみたところ、あらら、愕然とするくらいの出来の悪さ。これは脳トレーニングをしなくてはならない歳になったなぁと、早速漢字ドリルを買いページをめくります。初めの問題は比較的易しいのかサクサクと進みますが、少し難しいところからペンが止まりました。こっそりと解答を見て、あーそうそう、これこれ、思い出した思い出しと。今もスマホでこの原稿を書いていますが、実際、日常でペンを持ち文字を書く事が本当に少なくなりました。

婚礼の仕事をしていた時、新郎新婦様との打ち合わせではメモを手書きで取る事にこだわりがありました。どのバランスで漢字を使うか、わかりやすい文章になるかを考えながらメモを取り、また、出来るだけ美しく丁寧に書くことも心掛けていました。今思えば良い脳トレーニングです。打ち合わせ終わりには、その打ち合わせした内容を記したメモをコピーしてお二人にもお渡しします。手書きのメモは、私自身も思い入れが深くなります。


以前とある事件の記者会見をテレビで見ていた時、記者の方達がノートパソコンにパチパチと打ち込む音が響いていました。そういう時代になったのだと別段気に止めませんでした。が、書く事の大切さを見直すべきだと思うようになりました。 

さぁ今日も漢字ドリルの1ページをクリアするぞぉ~!



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