【花材】
ベッセラ・菊・ホトトギス・野ばらの実・ユキヤナギ
【制作意図】
銅器(桔梗口)に立花風に生けました。秋の兆しを感じられる花達です。立花風にしますと茎の足元が締まり、生けていても気持ち良いです。
銅器(桔梗口)に立花風に生けました。秋の兆しを感じられる花達です。立花風にしますと茎の足元が締まり、生けていても気持ち良いです。
【今月のエッセイ】
■秋の設え
9月になっても暑さ厳しく、何時になったら秋の気配が感じられるのかしら?四季の移ろいは生け花はもとより、季節に合わせて日々の暮らしを楽しむ彩りでもありますね。真夏は洗いざらしのTシャツ一枚の格好で活動的なスタイル、という感じから、秋らしい色合いの襟付きシャツに着替えて少しシックにお洒落してみたり。でも衣替えも年々時期が遅くなっているような気がします(衣替えの時期迷子のようです笑)。お洒落は我慢とか言われますが、外回りも多い私、さすがに最近の暑さでは秋らしい上着を羽織って季節を先取り♪なんてとても無理な残暑がまだまだ続いています。
さて、気を取り直して。花は季節感を先取りして生けたいと思い、花市場に出かけました。ススキや菊、リンドウ、ホトトギスなどの秋の草花。野ばらの実や少し色付いた枝物。ちゃんと秋の花材が出回っています。まだヒマワリも各品種たくさん並んでいますが『夏=ひまわり』が誰でも思い浮かぶような夏の代表格のような花です。暑さは続いていても、何だかまだ夏休みのようでちょっと手が伸びません。
体感温度が35度が続く中、相変わらずのTシャツ姿でも自分の気持ちは秋の気配を創り出しているようです。それは四季がまだはっきりしていた時代に育ったからでしょうか? 9月、新学期が始まり学校で友達と「夏休みにどこへ行った? 花火見た? 」とおしゃべりして、それで夏を終わりにしていたあの日。確かにその当時の9月はちゃんと秋だったと思います。トンボも飛んでいたし虫の音も。少しノスタルジックになりますね。
四季があるからこそ生まれた日本の文化や、風情を楽しむこころ、大切に後の世代にも伝えたいものです。ただ昨今の気候状況で育つ子供達には季節の移ろいが分かりにくいかな?と心配になります。生け花を仕事としている私。前にも増して季節を伝える役目は増えたのかも知れません。
先日実家に寄りましたら妹が食器の整理をしていました。ガラスの器から秋らしい焼き物へ。家の設えも秋らしくしていました。生け花に限らず季節に合わせて日々の生活を演出をする、やはり素敵な文化だなと感じたひと時でした。
それにしても早く涼しくなって欲しいなぁ。
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