2026年6月の生け花・エッセイ




【花材】

けむり草、京鹿の子草、カラー、瑠璃玉あざみ


【制作意図】

スモークツリーの美しい季節です。フワフワのグリーン色に魅了されメイン花材にしました。ピンクの京鹿の子草は草花ですが、濃いピンク色の花が良いポイントになりました。そこまで生けてからルリ玉をアクセントにしますと、あれっ?何か欲しいなぁと考え、カラーの花の登場です。
はい。これでまとまりました。

【今月のエッセイ】

■父の水泳記録会

今日は父の水泳記録会。短距離ではありますが25mと50m平泳ぎのタイム記録会に挑みます。今年で94歳ですので90歳〜95歳の部門に参加です。父は伏見で育ちました。京都市伏見区は京都市の南部に位置する、歴史、酒造、そして豊かな水に恵まれた所です。また 豊臣秀吉が築いた「伏見城」の城下町、そして幕末の坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」など、歴史的な名所が数多く残っています。私が幼少の頃に父の実家に遊びに行って一番記憶に残っているのは、家の前を流れる濠川でした。

『濠川(ほりかわ)…豊臣秀吉が築いた伏見城の外堀(濠)を起源とし、伏見の街の象徴となっています。十石舟が行き交う観光名所で、現在は琵琶湖疏水の水を引いています』

その濠川は高い堤防の下にあり、見るからに深そうで濃い緑色をしていました。ですから幼い私にはとても恐ろしいイメージがありました。
父の子供時分の話しを聞いた事があります。

「夏は家の前の川で毎日泳ぐのよ」
「ええっ!!あの恐ろしい川で?遊泳禁止でしょ」
「当時の子供達は皆泳いでいた。あの堤防から飛び込んで!!」
「ええっ!!」また驚く私。「大丈夫なん?」
「毎年何人かは流されたなぁ。で、だいたい一人は亡くなるのよ。そんな時代やったなぁ」と遠い目で答える父。

そんな会話を思い出しながら、記録会の応援に行きました。スタートは飛び込みです。前夜に妹と「飛び込んで大丈夫なのかしら? 94歳やで。」と心配していましたが、見事な飛び込みを見せてくれました。しっかりスマホの動画で撮り、後で再生してもきれいなフォームです。あ、なるほど!! 「三つ子の魂、百までも」ですね。あの恐ろしい川に、あの高い堤防から飛び込んでいた子供時分の父の姿がそこにありました。記録も良いタイムが出て、本人も満足していました。クラス優勝です。まぁ参加者は二人だけでしたが、格好よかった父は私の誇りです。


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